一新塾講義録(01/5/9)
「台湾民主主義〜台湾の今後の課題と日本の選択」
講師 金 美齢(台湾総督府国策顧問)
  



民主主義とは一人一人が主人公で自覚と権利を認識することが大事である。



『台湾の民主主義』

戦後、天から降ってきたのが日本の民主主義。 台湾は涙・血・汗を流して獲得した民主主義(Silent Revolution)。 台湾の歴史は占領・独裁の歴史である。

17世紀、反清運動をしていた鄭成功が、台湾から占領していたオランダ人を追い出したが中華社会からは化外の地とされていた台湾はどうでもいいところであった。1895年の日清戦争後に日本は、台湾を統治し中華社会と断絶させる。そして50年間、内地(日本)とともに近代化を目指した。それはある面で押しつけ的であったかもしれないが、文化・教育・交通・衛生面等を何もなかったところから築き上げ、現在の台湾の基礎を作り上げた。

「台湾の植民地経営は黒字」 「朝鮮半島の植民地経営は赤字」 と言われる所以。日本の統治により近代化してきたが、日本人は1等国民、台湾人は2等国民とされ政治には携われなかった。しかし、第二次大戦の日本敗戦を台湾人は自らの敗戦であると涙を流した。ところが、一部の人間は我々は中国人だ、先勝国だとのとの考えを広め蒋介石の軍隊を迎え入れた。

サバイバルの戦地では人は何をするかわからないが、日本統治下の台湾は戦地にはならなかった為日本兵の規律は正しく、統制が取れていてやさしい憧れの存在であった。それに対し、「いい男は、兵隊にならない」(中国の諺)とはよくいったもので、戦いに敗れ元々寄せ集め兵の蒋介石の軍隊は規律などなくひどいものであった。

そして、蒋介石の圧政の統治下でも、台湾語・日本語しか理解出来ず、中国語の理解できない台湾人はまたも、政府(政治)の中枢に入れなかった。台湾の2.28事件は何万もの将来のリーダー予備軍たちを処刑していった。その中で日本にいて、大器晩成型の李登輝や牢獄に居た辜振甫は助かった。戦後25〜30年間厳戒令の中、2.28事件の被害者の子等達が留学し民主主義を身につけていった。その後蒋介石
の子、蒋経国が総統を世襲したがアメリカへの配慮から、李登輝を副総統に就任。これが台湾の大転機を迎える。
蒋経国が病死し、副総統の李登輝が総統になる。彼は民主主義を推し進め、逆に自分がマスコミから叩かれる破目になるほどの言論の自由を獲得した。


自信・気概・誇りが無い国 日本

日本は民主主義で、その素晴らしさは努力すれば何んでも出来ることなのに今の人たちには主体性が無い。 国家レベルになると、他国になんでも伺い全く主体性が無い。靖国神社の問題にしても、政治家は戦争の正当性は抜きにして国の為に死んでいった普通の人たちを拝めない。外国に行けば戦士が奉ってある墓を拝むのにである。

気概が欠けている。李登輝前総統の訪日にしても、(昨年の10月希望だったところを今春にしてもらったのに)中国に対して遠慮しすぎている。彼らは日本に対して何のカードも持っていない。その逆はあるのにも関らず、「日本は20年もすれば消えてなくなる」とオーストラリアで発言し今回の問題で来日を延期した李鵬。今回一番困っているのは彼である。

今年1月2日、台湾総統府で窮地の陳水扁総統にあった時「新年快楽」(A Happy New Year)と笑顔で言われ、つい「本当にHappyなのか?」と尋ねたところ「信心」があるから、叩かれようがどうしようが、幸せであると笑顔で応えた。

今、我々に欠けているものは、心掛け・勇気・努力・犠牲である。

(文責:土橋英彦)



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