一新塾講義録(2001/9/12)
講師 山口二郎氏(北海道大学大学院教授)
「政治再編のシナリオ〜日本再生の条件」




1 参議院選挙における自民党の勝因

 ・小泉人気の政策的意味    現状に対する不安
                利益配分、既得権に対する反感
                期待水準の低下
 ・地方政治の潮流変化     開発パラダイムの終わり
                内発的発展とローカル民主主義
                望ましい首長像の変化
 ・永田町革命と地方政治の連関 アウトサイダーへの期待
                第1段階「破壊」という共通の課題
                シンボル先行の危険性
 ・組織政治の終わり      不発に終わった非拘束比例代表
                動員型政治に対する反発
                顔の見える政党は可能か

2 今後の政局

 ・日本政治の最悪のシナリオ  

  (1)デフレ政治の行き詰まり    国民生活の破壊
                    憎悪の政治と投機的リーダーシップ
                    社会の不安定化と国際的孤立

  (2)改革と利益政治のマッチポンプ 見せかけの改革と聖域の温存
                    90年代の延長線上
                    官僚、族議員複合体は不滅

  (3)改革拒絶と国家の破綻     景気対策という思考停止の継続
                    財政破綻と資本逃避
                    人的空洞化

 ・自民党政治の現状と展望 よろずや政党の限界
              与党という宿命ゆえの限界
              責任と論理を軽視したことのツケが回ってくる
              二、三世保守政治家の劣化
              民主主義のたがが外れる

3 小泉流構造改革へのオルターナティブ

 
・政治、行政における構造改革の課題 政策における需給のミスマッチ
                   官僚による経済対策の愚かしさ
                   マッチングと地方分権

 ・小泉人気に対抗する政策―――いま一度リベラルの理念を明確に

  経済的リベラル  市場原理では市場がもたらす問題を解決できない
           日本版Welfare to work---人的資本への投資
           中央政府の再編と戦略的な政策立案
  社会的リベラル  「権力対個人」という軸を自覚する
           社会の多様性と個人の自己決定の尊重
           風通しのよい社会をどうつくるか
              メディア、教育の問題
  国際的リベラル  憲法9条の意味をどのように理解するか
           暴力機構に対する緊張感の必要性
           アジアにおける安全保障のための条件

 ・地方政府の強化と政策選択 政治の劣化と集権体制
               分権がもたらす統治能力
               政策の自己決定と住民の責任

 ・小さい政府は望ましいか  構造転換と政策の役割
               戦略構築と政府の改革
               情報公開により政策論議のスタイルを変える
               賢明で信頼できる政府へ



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