一新塾講義録(5/29)

 金美齢氏(台湾総統府国策顧問)
 『台湾民主主義〜
  日台の絆が拓くアジアの新世紀





蒋介石政権は、日本語教育を禁止した。自分の世代が端境期でその後の世代は日本語に弱い。台湾大学で日本語学科を再開したのはほんの数年前。
1895年〜1945年まで日本と台湾は歴史を共にした。日清事変によって歴史を共にした50年をどう評価するかによって台湾人の日本に対する姿勢が決まる。プラスと評価するのは親日。マイナスと評価するのは反日。日本の統治を直に触れた人たちはその50年を高く評価している。中国大陸からやってきた人たちは反日。その後、反日教育が続いたが、民主化後、10代20代がサブカルチャーを通じ日本に親近感を持つ。
台湾に比べ日本人は台湾のことを知らない。台湾は日本に片思い。この2〜3年日本人に認知されるようになってきた。これは李登輝氏の存在によるもの。
きっかけは1995年李登輝氏コーネル大学での演説。中国は反対、アメリカはビザを出した。1996年の総統選挙。華人の社会で初めて直接選挙で国のリーダーを決めることは前代未聞。中国は実験と言って対岸からミサイルを撃ったことなどから世界的なニュースになった。ミサイルは内部に向けてのパフォーマンス。中国は国際社会で批判されても内部で権力を維持することを重視する。………


Q)政治的な面での中国が脅威だとのお話だったが、経済的な面での脅威についてどう考えていますか?

A)台湾から中国への技術移転進んでいる。現在、8インチのウエハーの移転問題で大問題になっている。古い技術は渡しても新技術が出てくれば別だが空洞化する危険性もある。しかし、企業は中国に行って安い労働力を使いたい。問題は今の中国は、投資して利益が出た時に利益がきちんと投資した母国に還元されないシステムになっていること。一番の問題は中国が台湾を自分の国の一部だと思っていること。台湾は日台の絆が重要。

【講義アンケートより】

・台湾人が日本をどう見ているか?ということが歴史的背景・現実をふまえて体系的に説明されており理解しやすかった。
・台湾の日本への好感というのが少し意外であった。相思相愛になるべきである
・中国がいつも理不尽で不可解な反応をとってくる理由が内部の利権争いであることがわかって疑問がひとつ氷解した
・日本・台湾・中国の関係はこれからどうあるべきかということを考えるよいきっかけとなりました。特に事件後なので興味を持ちました。
・金さんのひとりの人間としての国を想う気持ちの強さに胸を打たれた。

(森嶋伸夫 記)

 
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