一新塾講義録(2002年12月18日19:30〜21:30)
「金融危機」
 衆議院議員(民主党)長妻昭氏

衆議院議員(民主党) 東京7区(渋谷区・中野区) 当選1回
昭和35年東京生まれ 慶大法卒 元「日経ビジネス」記者
「平成維新の会」立ち上げメンバー 一新塾のアドバイザー
キャッチフレーズ「黙っちゃいられん!」

■不良債権問題との関わり
私は元々「日経ビジネス」の記者でして、94年1月号で「不良債権、日本経済の時限爆弾」という記事を同僚と共同で書きました。当時はまだ不良債権がこれほど騒がれていない時期でしたが、関係筋からは反響をいただきました。 金融関係者からは「本当のことを書いちゃダメですよ」などと言われておりました。また大蔵省(当時)の方からは「不良債権問題なんて大したことではない。近いうちに貸出金利をゼロにしてミニバブルを起こす。そうすれば不良債権の担保は高値で処理できる。取り立ててそんなに 大きな問題ではなくなる」などと言われました。 「このままでは大変なことになる」「ペンだけで問題提起をしてもダメだ」「日本の無責任体質を変えよう」と強く思い、議員になろうと決心しました。

■「不良債権」とは銀行が貸し倒れされた債権を指します。金融庁が8月に発表した「リスク管理債権の状況(平成14年3月期)」によると、その額約53兆円とのことです。 しかしこれは金融機関の自己申告による額であり、この数字はまだ実体に比べて小さすぎると思います。 「リスク管理債権の状況(平成14年3月期)hp」

■なぜ不良債権問題が長引いているのか
1999年、4大メガバンクに注入した約7兆円はなぜ効果を表さなかったのでしょうか。 それは公的資金注入と同時に銀行の経営者を辞めさせなかったからです。この時で銀行の経営体質改善のチャンスを逃したと思います。

■なぜ銀行の不良債権を処理せねばならないのか。
不良債権は徹底的に処理すべきです。では不良債権問題がこのまま放置されるとどうなるでしょうか。例えば「リスクのある貸し出しは止めようかなぁ・・・」「失敗は許されない」といったマインドが銀行に蔓延ることになります。そうすると新たな業種や企業が生まれにくい社会環境になってしまいがちです。 また現在では企業融資の際の担保としている土地が日々低下し続けており、担保価値の低下(担保割れ)による信用収縮がおきています。 これが銀行の「貸し渋り」「貸し剥がし」を横行さる結果となっています。

■なぜ銀行を倒産させないのか
銀行は自然淘汰が許されない唯一の民間業種です。なぜなら銀行は社会的影響力がとても大きい。彼らの貸出先には何万社もの企業が控えているのです。

■しかし・・・ これがこの不良債権問題を複雑にしています。銀行は「政府は銀行をつぶさせない」との甘えがあります。 この銀行が持っているマインドを崩すには、政府がある一定の公正な基準を設けて銀行の淘汰をせねばなりません。

■不良債権問題を処理するとどうなるのか
不良債権問題が景気を悪くしているというよりも、この問題が景気を浮上させない圧力になっているだけなのです。ですから景気を上昇させる力となるのは需要を創出する他はないのです。 迅速に不良債権問題を処理し産業構造の転換を図り、人・モノ・カネが一番生かされる経営者の下に移動しやすい社会を作る。そして過剰供給・過剰供給削減・稼業企業見直し等により、将来的には強い産業群を生み出せるのです。

■そのためには・・・
主要銀行を一時国有化するべきです。そして経営体質を変えさせます。その方策は

・「金融危機」を首班に宣言させる。と同時に「全額預金は保護されます」とアナウンスする。
・金融危機対応会議を召集し、不良債権の中味を厳密に査定。 「主要行における自己査定と検査結果との格差についてhp」
・30兆円までは「金融危機対応会議」の判断で銀行に注入する。
・不良債権を切り離して(他機関に債権を譲渡して)健全化する。

ちなみに今から予言をしますと、2003年の4月から6月に政府は銀行に20兆円くらい注入するかもしれません。
(了・文責 アソシエイツ 吉葉大樹)


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