一新塾講義録(2003年6月18日)
「市民プロジェクト戦略ケーススタディ」
 前澤哲爾氏
(映画プロデューサー,全国フィルム・コミッション連絡協議会副会長
, 慶應義塾大学講師, 一新塾理事)

前澤氏は1951年生まれの51歳。ソニーPCL株式会社にてご活躍の後、現在独立されています。21世紀のプロジェクトの知恵と実行力に溢れた方です。(社)日本映画テレビプロデューサー協会・国際交流委員会副委員長、(社)日本映画テレビ技術協会評議員、シャプラニール=市民による海外協力の会運営委員、電気通信大学非常勤講師(メディアリテラシー)など、多彩な活動をされています。

一新塾OBでもあり、現在は理事を引き受けてくださっています。今回は、12期塾生の司会を申し出た方が、前澤氏と何度もやり取りをしながら、話をしていただきたい内容を詰めていかれました。前澤氏も塾生の求めるところに応えてくださり、少ない講義時間で今までの手掛けたプロジェクト、その仕掛人としての知恵や方法論をとてもわかりやすく、伝えてくださいました。とにかく、どこを切っても本物の生きる知恵の宝庫、という講義でした。下記は講義の一部ですが、一新塾OBの方には、このビデオを是非見ていただきたいと感じました。(一般の方にも見ていただきたいのですが、塾生しかビデオ購入できないので申し訳ありません。)

■前澤氏の市民プロジェクトの理念
「すべての人が喜ぶ活動ができないか?」
すでにイデオロギーで動く時代ではない。今までの市民プロジェクトは結局は対立構造になってしまい、勝った負けたとなり、全体的な構造は変えられなかった。対立構造に持ち込まない。敵を作らない。
私の対象はWIN−WINの素材。乖離しているものを越える弁証的プロジェクト。今まで取り組んだのは(取り組もうとしているものも含む)、映像制作者と自治体(フイルム・コミッション)、業界と若手人材や映画ファン、地域と社会人講師、市民とマスコミ(パブリックアクセス)、県民と国、という素材。

■ フイルム・コミッションの場合
FCとは、自治体などが映画・テレビ・CM等の撮影誘致し、便宜を図る非営利組織。1999年8月に活動開始し、現在全国組織へ発展し設立ラッシュ。
なぜ、成功したのか→ ニーズがあるものは広がる。(広がる仕組みは必要)
私がやりたいのは、道州制実現です。そのための地域振興の一環としてFCをテーマにしています。このプロジェクトは行政と市民が協同しないと成功しないので、コミュニティが醸成されてゆくと考えています。(一新塾ニュース第17号に前澤氏のフイルムコミッションについての設立中の文章があります。

■尊敬する政治家はゴルバチョフとキムデジュン、それはなぜかというと、、。
■プロジェクトの方法論「非排除の原則」。それは、、。
■ 教育プロジェクト「アイボの解体」をテーマにした授業の落としどころは、、。
■ 本当に必要な情報とは何か。情報そのものよりも人。誰からナマ情報を得るか。

「フイルム・コミッションは公的機関が関係しているので自治体が信用できる判断材料であるレポートを作る必要がありました。フイルム・コミッションがあると、日本の中で何がどうなるのか。アメリカにあるフイルムコミッションの例では納得していただけないのです。私は、信憑性のある報告書を作るためにまず、発起人を呼びかけ、研究会を作りました。」



「ただ批判ばかりしていても何も変わりませんが、小さな力でも針や灸のように効くところに押さえると、それなりの代替案があるね、と変わってゆくものです。公正に、大胆にすることです。」

日本変革の一翼を担う人に必要なのは、知識よりも知恵、必要な力とは?
@必要な情報だけを収拾する能力 〜情報はまず仮説。誰からナマ情報を得るか?
A課題を抽出する分析能力  〜一般論に落ちると原因わからなくなってしまう
B解決方法を編み出す創造力 〜詰め将棋のなん手目まで戻れるか
C実行に移すための組織力  〜対立したものを埋めるのは何か、ゴルバチョフの戦略とキムデジュンの太陽政策はすばらしいと思う。

訣別すべき事は「責任転嫁」「一般的評論」「優越的態度」です。
何度も脱皮をしてここまできました。 一新塾に来て、自分でプロジェクトをしないと(動かないと)どうしようもないな、と思い5回目の脱皮。残りの人生は不満を言いながら死にたくないなと。そしてこの間、会社を辞めて6回めの脱皮をしたわけです。

(了・文責 一新塾事務局長 森嶋伸夫)

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