一新塾講義録(2004年7月14日19:30〜21:30)
「民からの挑戦!
  無認可保育所の可能性」
 水澤佳寿子氏
(株式会社コティ代表取締役社長)


■ひとつづつ乗り越えていくうちに志も生まれた

23歳で結婚し、フリーでテレビ局の仕事をしていたところ、その後クライアントから「個人に依頼するより会社に依頼する方が仕事が頼みやすい」と言われました。そこでまず会社の作り方を勉強しようと本屋へ。「有限会社の作り方一切」700円を購入。夫のボーナス50万で会社を設立。順調に出発し、5年後には,企画から現場のオペレーションまでパッケージでやれるノウハウを持ちました。女性380人の稼動率40%、売上140%、仕事ってすごい簡単・・と。

ところが,突如バブル崩壊、28歳、起業5年目でした。ふと気がつくと、会社の電話が全然鳴らなくなっていて、、、。会社は利益が出ないとモチベーションも落ちることを実感。半年ぐらいして,バブルの崩壊だと気づきました。仕事は7割減になりました。

ターニングポイントは私生活でもやってきました。きっかけは夫の起業した会社の倒産。自分は連帯保証人になっていました。5000万の負債。一緒に返済しようと思っていましたが、夫は自己破産を選択。「問題が起きた時にくるっと背中を向けるんだ、生きる道が違うんだ。」と思い、借金と子供を引き取って離婚。

■離婚、子供3人を抱え5000万返済へ
財布の中に500円しかないこともありました。お金が無いと良い企画も出ません。悪循環なんですね。自分の食いぶちは会社と別にしようと、生活費を稼ぐため夜の皿洗いへ。時給700円、日払いでもらって食費にしましたが1週間でくたくた。5年事業をしてきた自分なのに、何をやっているんだろうと考えました。今のままではいけない、事業じゃないと借金は返せない。食べていけないし、生きていけないと。

そして今までの5年間の出会いを思い出したんです。バブルの時代でも会社を潰している人間はいました。ですから、その時その時代が必要なものを提供している会社は伸びるということなんです。自分の問題は「求められている商品を提供していないからだ」ということに気がつきました。

では、何が提供できるだろうかと考えていたら、新聞記事に『特殊出生率,少子化、1.46ショック』が出ていました。自分はそこに解説されている内容は違うと思いました。「ここに私が提供するものがある!」と。皿洗いを止めて、1週間で事業計画書を作成。4つの視点でチェックをしました。
1) のめりこめる仕事か
2)世の中の人は本当に求めているか
3)パートナーにやりがいや楽しさを感じてもらえるか
4)採算に合うか

→全部イエスだったので、やることにしました。

■新しい事業を開始→アメリカ視察へ

まずは、固定費のかからないベビーシッターから開始。マスコミ関係のお客さんが口コミでつきました。でも、いつまでもこのままじゃ・・と思っていた頃、他の国ってどうだろうと思いつき、格安チケットでアメリカヘ。3つの驚きがありました。
1)アメリカ,公立(福祉)と民間(サービス)が共存している。
2)大学の中に託児所があり,地域住民も利用できる。
3)企業内託児所も10社に1社はある。

そして、自分は、どれを事業化したらいいんだろうと考えました。
イベント業では、企業がお客様だったので、企業内保育を選択し、2つのサービスを考えました。ひとつは、企業の従業員の福利厚生。もう一つは、企業の顧客に対するサービス。

■起業家として、主婦として

人、モノ、お金、悩みはつきません。問題は1つ終わったら1つ出てくるようなもの。イメージとしては、歩きながら前に進みながらモグラタタキをやっているようなものですね。それが経営者。事業はリスクもリターンも高い。だからしかたないと思います。
お金を稼ぐのにはすごく才能が必要だし、能力もいります。普通はお金を使うことが話題になるでしょう?でも、お金を稼げることで盛り上がることはないですよね。事業は自分の短所をつぶして、長所をのばす作業。だからとても楽しいと思います。

主婦、母として高3(女),中3(男),中2(女)の3人を育てています。難しいけれど、子育てって楽しい。いつ楽になるのかなと思っていたけど、親と子である以上,楽になることはないことがわかりました。今は子供の成長が楽しみです。
「親じゃなきゃ出来ないことって何だろう?」と考えてみましたが、あまりできることはないんだなあと。環境をつくることぐらいかなと思います。社会に出た時に貢献できる人に、将来の社会人をつくることが子育てだと思うんですね。
それじゃあ親としては、子どものヘルプサインを見逃さないことぐらい。

★水澤のこれからの夢★
子育て支援を通して社会貢献、ももちゃんナーサリーのさらなる展開へ。
別の事業体で教育や母子家庭の支援もやりたい。

★みんなへおねがい★
可能性のある人は,どんどん子どもを産んで欲しい。
大変だけど,子育ては楽しい。子どもは私達を育ててくれる。

一新塾講義録 水澤佳寿子氏

≪講師プロフィール≫
S37.8札幌生まれの札幌育ち。(松田聖子と同い年)
短大卒業後、学生時代アルバイトをしていた地元の放送局からの依頼でフリーのアナウンサーとして働きはじめる。テレビ番組のレポーター、イベント司会を経て、24歳でイベント企画業務を行う個人事業所を創業する。
88年(有)ワーキンググループコティを設立。
92年からはベビーシッターの派遣、託児施設の運営をはじめとする育児支援事業を行い、現在、全国46箇所で保育室「ももちゃんナーサリー」やベビーシッター派遣業務など子育て支援サービス事業を展開中。
最近では霞ヶ関の文部科学省内の託児所「かすみがせき保育室」の運営受託、家具の開発ならびに販売事業にも乗り出している。

参考HP
●http://www.coty.co.jp/index2.html 
(コティHP)
●http://www3.kitanet.ne.jp/~mayu/ikiru-miz1.htm

一新塾講義録 水澤佳寿子氏

<少子化政策について>

国の少子化対策は的外れだと思う。
支援策、ここ数年で何兆円も使われているが、「こんなに子育て支援していただいてうれしい」という実感はお母さん達には実感ない。(お母さんたちの財布に入ってこない)

結局膨大なお金が施設にいってしまっている。子育て支援も結局はハコモノ。

少子化対策=保育園対策となっているが、同義語ではないと思う。全然別ものです。なのに、国会の話だと同じになってしまっている。

子供を産んでないのは、はっきり言って専業主婦です。産みたい環境にないこと、つまりそういう支援のソフト、人にに対する支援が必要なのではないか。国はそういう支援の仕方を知らないと思う。

保育園は働いていないと入れません。もちろん待機児童対策も大切ですが、その事と子供を産まないという事とは話は別だと思います。

塾生の政策提言風景<授業の後半で政策提言>
13期のーム活動「育児と仕事の両立支援チーム」 による政策提言をプレゼンテーションさせていただき、今後の活動への具体的に足りない点や課題に対するさまざまなヒントをいただきました。
「男性がこのようなテーマについて学ばれているとは驚きました。是非コティにインターンから入っていだだきたいですね。うちの会社では男性の方が試験を受けても、いつの間にか4次試験までに落ちてしまうんですよ。」
塾生の政策提言風景

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