藻谷浩介氏
≪講師プロフィール≫
藻谷浩介氏
(日本政策投資銀行 地域企画部 参事役/NPO法人 地域経営支援ネットワーク 理事)
山口県出身。旅行と地理が何よりも好きで、自転車、鉄道、車などあらゆる手段により、国内3200市町村の99.8%と海外53ヶ国をおおむね自費で巡歴し、地理特性等を詳細に把握。統計数字と眼前の現実の一致点、不一致点を観察、中心市街地活性化問題について現実に根ざした提言を展開。全国各地にて年間100件以上の講演を行っている。
一新塾には4度目の登場で、プレゼンテーションの迫力は天下一品。
現場主義で自ら考え切磋琢磨していく講義。

藻谷浩介氏
仮説を立てて仮説にあう証拠にしか気が付かないと現実が見えない。頭を真っ白にして何が現場で起きているかを全部拾い、そしてどういう理屈だとそれらすべてを説明できるかを考える、それが真相なんです。」


藻谷浩介氏
「全体像知らないでまず結論づけるのはやめましょうね。全体像を知った上で、議論すべきだと思います。発言してくださる方はみんな偉いんですが、全体像を知る為には、まず自分がうそでも間違いでも恥でもいいので、まず意見を言ってみるのは大切です。若いやつがデタラメ言っても皆さん教えてくれるわけです。若さの特権ですね。」
藻谷浩介氏
「景気でものが決まると考えている方が多いけど、実際はある世代が道を切り開いた結果が仕事が増えて景気がよくなるのです。」

「人口が減少し貯蓄増加する社会で取るべき方法とは何か?価値あるものは価値なりのお金を取ることです。」

一新塾講義録(2004年11月10日19:30〜22:20)
「現場主義のまちおこしケーススタディ」
 藻谷浩介氏
(日本政策投資銀行地域企画部参事役)


【本日の講義を受ける前に】
本日は、第15期生(2004年11月6日入塾)を迎えての第一回目の講義(14期生にとっては後半の学びの始まり)は昨年に引き続き、日本政策投資銀行地域企画部参事役の藻谷浩介氏にお引き受けいただきました。国内3200市町村の99.8%と、海外53ヶ国に自ら足を運ばれている藻谷さんに“現場主義の真髄”をお伝えいただきます。
テーマは「現場主義のまちおこしケーススタディ」一新塾でもグリーンピア勉強会チームを中心に議論を重ねてる「ハコモノ再生」を切り口として講義依頼をさせていただきました。

【一新塾からの藻谷氏への事前依頼内容】
『ハコモノ活用の理想像、あるべき方向、あるいは、ハコモノ活用の考え方人口減少、過疎化が進む地域にも小中学校の校舎や公民館等があり、今後、それらの施設の利用者が少なくなり、廃校になったり、施設が閉鎖されるような状況が全国各地で想定されます。しかし、施設の建築物としての寿命は残っているので、地域のさらには国の財産としてうまく活用できたらと思いますが、なかなか上手に活用されるものは少ないようです。そこで、特殊事例ではなく、今後一般的に利活用において応用が図れる方法で、国内外の先進事例として参考になるものがありましたら、その利活用方法、並びに施設所有者と利活用者の対応、活用した制度等をご教授いただきたいのですが、いかがでしょうか?』

【藻谷氏からの提案】
「一新塾での講義の内容ですが、建物再利用だけでは話が各論なので、「今、地域で何が起きているのか」というテーマでワーク形式で話をさせていただきたいと思うのですがいかがでしょうか。一新塾生の方に首長志望者、医療関係者、教育関係者が多いことをお聞きしましたが、そのような方にも広く関心をもっていただける内容です。冒頭からクイズとなっており、途中でもいろいろ議論が可能です。全部はやらずに、非常に具体的な話として建物や空き地の再利用のケースもいろいろお見せしようかと思います。」


当日の講義テーマと内容(対話型講義でした)
「今、地域で起きていること 
  〜なぜ好景気下で不景気感が蔓延しているのか〜 」

●日本の主要な大都市圏
東京 人口2924万人(横浜、千葉、埼玉はこの中に包含されてしまう)
大阪 人口1214万人/名古屋 人口528万人/福岡 人口237万人/札幌 人口231万人/広島 人口177万人/仙台 人口158万人)
●先入観と事実がずれる時代。下記にあたる場所は?根拠は?
Q.90年代広範に人口転出入超過率がマイナスだった都道府県は?
Q.1995年じから2000年に国勢調査の就業者が増えた都市圏は?
Q.2000年と2020年を比べて70歳以上の高齢者が日本で一番高い伸び率で増加すると予測される都道府県はどこ?
  このクイズは3つとも当てた塾生はいませんでした。(残念!)
●減少し始めた首都圏の就業者
●退職年代の多い東京・少ない福岡

<少子高齢化問題、本当の問題点とは?>

●波打つ日本の人口(普通の日本の人口グラフ、過去とこれから)
●少子化と高齢化の混同を排し、「東京バカの壁」の呪縛を乗り越える。
●少子化の主犯は、出生率低下よりも「親の数」の減少
●出生率に関係なく来る2020年、日本の危機!
●大都市圏ほど高齢者増加(東京、名古屋、大阪、福岡の予測)
→過去30年にわたる少子化のさけられない帰結、構造的な土地デフレ

<グローカル競争のパラダイムシフト>

●外国から金を稼ぎ続ける日本
●モノ大量生産特化型経済の限界
●単価向上を実現する経営技術とは?

<消費競争の思わぬ敗者と勝者>

●人口規模と人口動態は無関係
●人口流動と雇用増減のずれ
●生産と消費の不一致
●佐世保パラドックスとは?
●信州の観光に見る地域間競争
●グローカル消費誘発競争の勝敗を分けるもの

<まとめ:地域経営の時代へ>
●第二次大戦の愚を繰り返す日本:惰性的失敗
●日本再生に向けて不可欠な地域経営の2大戦略
●現実は「地域経営」不在の状況→鍵はなにか?
●地域経営専門家の新世代へ→これからのモデル

【講義の感想】
○現場歩きと生データの加工、分析力に脱帽しました。
○現場と世の中に蔓延している情報との差が歴然としていることを実感。
○ 目からウロコ、物の視点を変える事に気付きました。
○データの生きた見方を学んだ。
○日本の構造を感じることができた。
○説明の根拠が明解でわかりやすかった。
○では自分はどうするのか、考えさせられた。
○数字、統計、現場の実施に基づく話で説得力があった。
○いかに思い込んで物事を捉え、判断していたか気付きました。
○講師のこの情熱、パワーはどこから生まれるのでしょうか。
○数字の見方、現象の捉え方など、自分がいかに偏見をもっていたか思い知らされた。固定観念の恐ろしさを知った。本質を見抜く力のヒントを得たような気がする。
○現場主義の初めての認識ができた。
○生データを自分で加工し意味を引き出しているのがすごい。
○わかりやすい言葉で論理的な説明だった。
○メディアが伝えているものがいかに現場と離れているかがわかった。
○全く新しい講師の視点に対し的確に質問を投げ返す塾生がいたことに驚いた。


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