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       一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
       【第89号】  発行日:2003年5月8日
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【目次】
 ●トップランナーからのメッセージ
  「一時の夢のツケ〜W杯サッカー場建設がもたらす財政赤字と環境破壊」
           青山貞一氏(環境総合研究所所長・一新塾代表理事)
 ●一新塾からの耳より情報!
   残りあと3回!〜なぜか人生相談になってしまう一新塾説明会
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 皆さん、こんにちは。
 第12期入塾式が段々と近づいてきました!
というわけで本日は、その開講式で基調講演をいただく一新塾代表理事の
青山貞一氏からのメッセージをお届けいたします。
 半年前の第11期入塾式では、「公共事業が破壊する地方自治」をテー
マにご講演をいただき、その熱い志に刺激された塾生とディスカッション
は懇親会へ場所を移してからも止まる事なく、終電まで続きました。
(写真はコチラ→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/03indexi.html )
「入塾式は本当に刺激的な日となりました。青山さんのお話、そして会話、
 他の塾生の方々との交わした会話、どれもが非常に刺激的でした。
 一新塾に集まる人というのは今まで出会ったことのないような個性をも
 たれている方ばかりで、その方々と過ごすこれからの1年を想像するだけ
 で、今までとはまったくちがった世界に足を踏み出すようで興奮してい
 ます。」
11期入塾式の翌日、事務局に届いた11期生の方からの感想です。
第12期入塾式では「ゼロ成長時代の構造改革」をテーマにご講義いただ
く予定です。新たな仲間同士のディスカッションが今からとても楽しみです。

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■■■トップランナーからのメッセージ
■■■「一時の夢のツケ〜サッカー場建設がもたらす財政赤字と環境破壊」
■■■                         青山貞一氏

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ワールドカップサッカー場は、どこの地域でも巨大な赤字財政の種と
  なっていることが2003年5月4日の読売新聞の記事で分かりました。な
かでも 横浜市の年度赤字は最高額。今年度だけで約5億4千万円に達
する見込み、 横浜市が建設したワールドカップサッカー場への地方債
発行額は418億円、10ある国内競技場のうち最大である。

日本全体10W杯競技場の建設・改修のために自治体が支出した総額
2983億円のうち、2039億円は借金にあたる地方債で賄われ、償
還(返済)は、最長のケースで2033年度まで続くことになると言う。

W杯会場がまったく不要とは言わないが、明らかに地方財政を圧迫する
公共事業であったことは間違いない。

われわれ環境行政改革フォーラム(E-Forum)では、大分市の競技場建
設に際し,NHK大分支局の某ディレクターからの要請で、競技場建設
予定地のレッドデータブック記載種などが絶滅する可能性につき、環境
庁の担当部署に事前連絡をした上で参議院決算委員会で議員に質問をし
てもらった。さらに、その一部始終を同日の夕方に大分の現地で大々的
にNHKがニュースとして放映。結果的に立地位置、設計などの変更を
勝ち取った。

一方、横浜W杯競技場周辺の鶴見川河川敷で高濃度のPCB、ダイオキ
シン類、重金属類が何と国土交通省により検出された。

地元住民団体からの要請で環境総合研究所が実態把握のための調査、分
析に当たった。国土交通省及び環境総研のデータをもとに内外記者クラ
ブで記者会見したところ、最終的にニューズウィーク誌はじめ、ドイツ
(ZDFなどテレビ局2社、グリーンピースなど)、イギリス(BBC放送)、
イタリア、ポルトガル、韓国(KBS)、オーストラリアなどの報道機関か
ら連日激しい取材攻勢にあった。いかに、諸外国のこの問題への関心が大
きいかが分かった。
しかし、こと本場の日本では、国土交通省はまだしも、肝心な環境行政、
すなわち環境省、神奈川県環境部局、横浜市環境部局がいずれも、まと
もな汚染実態の把握をせず、高濃度汚染を含む物質は、「土壌ではなく
廃棄物である」など、勝手な解釈論に終始。結果的に環境行政諸機関は、
汚染の実態をないがしろにした。具体的には、たまたま高濃度が検出さ
れた地域の周辺に、国土交通省工事事務所が鉄パイル(板)を打ち込む
など、汚染を隠蔽する方法で幕引きをはかった。

 この方法、すなわち汚染土壌が発見された場合、周辺にパイルを打ち込
む方法は、この2月施行された土壌汚染対策法でも、汚染土壌対策の
「措置」として採用されている。この方法は何ら、汚染浄化、除去、移動
をすることなく、その場に汚染土壌を押し込めるだけのこと。もし、不
透水面がなければ汚染は地下水に浸透することになる。

 最もふがいないのは、日本の大手マスコミである。ワールドカップサッ
カー来場者減、さらにサッカー大国のドイツなどの選手引き上げなどに
よる経済損失を危惧する横浜市など行政当局の姿勢に追随。諸外国報道
機関が事実を知る努力をしているのと正反対に、当時、読売新聞などご
く一部の記事以外まともな取材さえしなかった。たとえば、私たちが現
地調査を行う直前には、東京新聞横浜支局が住民団体に取材を約束しな
がら反故とし、テレビ朝日は現地調査を徹底取材し、同行された中村敦
夫参議院議員のコメントなどをとりながら、まったく放映しないなど、
及び腰が目立った。同じ開催地である韓国のKBSなどマスコミ陣に比べ
てもふがいない。

 結局、日本の中央政府、地方行政、それに大手マスコミは、ワールドカッ
プサッカー場建設がもたらす財政赤字と環境破壊に対し目をつむってき
たと言える。とくにもともと大きな財政赤字をかかえる横浜市、仙台市、
さいたま市などの政令指定都市や大分市など県庁所在地の自治体にとって、
一時の夢のツケは重くのしかかることは間違いない。

【参考】----------------------------------------------------
読売新聞、2003年5月4日
◆W杯会場は赤字も巨大、8競技場で年25億円
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030504i312.htm)
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■■ 一新塾より耳より情報!
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    残り3回!なぜか人生相談になってしまう一新塾学校説明会
  映像を交えながら学校紹介、12期プログラムの特徴などご説明させて
 いただきます。また、卒塾生の方におこし頂いてのざっくばらんな質疑応
 答の機会も設けています。
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        http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
  ・会 場:一新塾セミナールーム
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