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     一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第119号】 発行日:2004年2月27日
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【目次】
 ●「塾生の政策提言が本に!〜市民による主体的な問題解決」
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一新塾ニュース読者の皆様こんにちは。事務局の森嶋です。
最近ますます市民が主体的に問題解決に向かっている記事やニュースが多く
なってきているように感じます。

考えてみれば、困っているのは生活者である私たちなのですから、解決する
のも私たちである方が実態に即した解決創造となるはずです。
まだまだ市民の力に可能性が眠っていると思います。
どうしたらもっと市民の力が開いてゆくのか、日々考えさせられます。

さて、今回は塾生の授業内での政策提言の内容が本に載りましたので、
ぜひご紹介させてください!!

この政策提言、2002年に尾身科学技術担当相(当時)に提言したもの。
その後、知的財産国家戦略フォーラムでプレゼンテーションしました。
提案はフォーラムの有識者の中では「こうした発想はなかった」と新鮮に
映ったようです。そして2003年、政府の知的財産戦略本部の政策の指針
となる『知的財産戦略推進計画』の中に提案したアイデアと同じものがあり
ました。

普通の市民が政策提言をすることが、国家の枠組みを変えてゆき、自分たち
が願う方向へもってゆくことができると実感させていただいた出来事でした。
皆さんがどんなことに困っているか切実感をもって「こうしたい」を形に
すること、それが政策提言なのだと思います。
今回はその掲載部分を抜粋させていただきました。

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「知財」で稼ぐ!〜特許、ブランド著作権・・価値創造ビジネスの全貌
【読売新聞東京本社経済部編 光文社新書】 2月20日に発売
 p132〜p133 第四章 知財がわかる人材をどうそだてるか
            4  特許を早く、強く
【長い待ち時間】
2002年2月、起業家などを目指す会社員らがあるまる非営利組織
(NPO)「一新塾」のメンバーが尾身科学技術担当相(当時)に
行った政策提言は、「10ヶ月で完結する、世界一早い特許審査プロセス
を導入すべきだ」という内容だった。日本の特許審査の遅さは、ビジネス
の第一線にいる企業人にとって「常識」となっている。
特許庁が、1985年に日本から日米欧の三極に出願された5926件に
ついて、特許取得時期を調べたところ、アメリカでは3年目、ヨーロッパ
では6年目、日本では9年目に成立する件数が最も多かった。単純比較
はできないが、同じ内容でも日本で特許が成立するのはアメリカの6年
遅れとなっている格好だ。
こうした実態に、提言に携わった一人でコンサルティング会社に勤める
松江英夫さんは、「審査期間の長さは、技術を生かしたいベンチャー企業
などにとって大きなハードルだ」と指摘する。
実は、特許庁での1件の審査は、半日もあれば終わる。それなのに出願
から特許成立までに年月がかかるのは、”待ち時間”が長いためだ。
特許庁によると、2002年には23万8千件の審査請求があったのに
対し、審査に着手した件数は21万5千件と、審査請求件数を2万3千件
下回った。着手件数が審査請求件数に追いつけない現象は1999年から
4年連続となっており、2002年の審査待ち件数は累計50万件にも
達している。
特許庁の試算では、現在と同じペースで出願が続けば、2013年には
出願から審査開始まで70ヶ月待ちとなる。
「審査爆発」(経済産業省幹部)の懸念も絵空事ではない。

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この間、一新塾で講義をされた、藤村靖之氏(発明工房主催)も
さまざまな発明をされてこられたとのことでしたが、特許取得に10年
かかる日本で見切り発車の苦悩を経験されたとのことでした。
(詳しくは、「さあ、発明家の出番です!」風媒社 をご覧ください)

ところが、その苦悩によって特許庁の荒井長官から1997年に協力を
依頼され、早期審査制度を作ることができたそうです。

専門家も市民も、困っていることは解決するために協働して向かうこと。
より良いビジョンにむかって自分たちの国の価値を高めてゆくのは、
誰でもない私たち市民一人一人の力によってなのですね! 



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