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      一新塾ニュース 〜今のニッポンを変えろ!
      【第180号】  発行日:2005年4月12日

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▼目次
■『「手作りほうきと蔵」の再生』 柳川直子氏(第11期生)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
起業を通じて社会の問題解決に取り組んでいる卒塾生をご紹介
いたします。

一新塾11期OG 柳川直子さんは、自宅の曾祖父の蔵(1935年建造)
を『地域 に役立てたい』と住民にフリースペースとして貸し出す
など、地域のイベント 運営を手がける会社「まちづくり山上」を
立ち上げられました。

新聞に掲載された蔵での「手作りほうき講習会」は大盛況でした。
5月に第2回目の開催を検討されているそうです。

一新塾生の活動レポート■□□■□■ ■■■ ■□■□■□■■
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「手作りほうきと蔵」の再生

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11期 柳川直子  

私は神奈川県の中央に位置する緑豊かな愛川町に暮らしています。

15年程前、子育ての中で様々な疑問や不安を感じ始め、やがて、
一市民として町政に強く関心を持ち積極的に市民活動に参加し、
安全な食を追及するなど、かなり積極的な暮らしをしておりました。

その後、子育てが一段落すると、突然母の在宅介護の日々が8年
続くこと
になり、肉体も精神も極限状態の中で、自分が自由に使う
ことができる限られた時間を何に使いたいか、何ができるかをいつも
考え悩んでいました。

ちょうどその頃、わが町の町長をインターネット公募するという
企画の中心に位置するチャンスがあり、介護をしながらも前向きに
社会に関われることに大きな喜びを感じました。介護の中で自分を
表現するには日々の生活に密着した町の政治をしっかりと見つめ
表現することが最良の方法でした。

結果として成就できませんでしたが、多くを学ぶとともに、強く
感じたことがありました。それは、外からの力や視点の重要性です。
狭い視野で不平不満をいうより、外から内を見てみよう。きっと
見えてくるものがあるのではないか?
このことが一新塾入塾のきっかけの一つでもあります。

もう一つは自分に負荷をかけ、ここらでチャレンジするのも我々
世代の生き方と考えたからです。

一方、時を同じくして株式会社を立ち上げました。もともとの家業
であった「手作りほうき」の文化を広め、産業の復興という目的も
ありますが、
それまでの経験から、とにかくあれやこれやいうより
まず設立し、軌道修正をしながらやっていこうという精神的余裕が
ありました。また、築70年の鉄筋コンクリートづくりの「蔵」を
再生する目的もありました。もちろん簡単に現在に至ったわけでは
なく、かれこれ2年近くかかって構想を練り、情報収集を行いまし
た。そしてさらに暖かい人の和により支えられ、今があります。

ほうきも、蔵も放っておけば失われてしまうものです。文化的価値
包み込んだ歴史を残し、次世代にバトンタッチすることが私の役目
であると思います。

今から私が職人になることは出来ませんが、記録に残しそれを支援
することは出来ます。

今、愛川町では目だった観光収入が無い状況があり、それをどう
やって生んで行くか、価値あるものは何か?どのような仕組み
づくりをするかと言うことを行政に期待し待つより、私たち市民が
まず行動し、それによって行政を動かすことが出来たら町も変わり
はじめ、この町に夢を抱くことが出来ます。

ほうきも従来の掃除道具としてではなく自然志向の暮らしにマッチ
した新しく、楽しい品としてこの町の特産品に生まれ変わることが
可能です。

また、蔵は広く市民のフリースペースとして活用して欲しいと考え
ています。こうした中、木のぬくもりと共に、ジャンルを問わず
議論ができる場は一人二人と仲間が集まり初めています。

一新塾は私に勇気と自信を与えてくれました。それほど肩を張ら
なくても、昨日より一歩、私自身が進歩したら私はとても幸せで
あり、それが人々の幸せに繋がると思います。変化を望まない田舎
の人々の暮らしの中で奮闘するのも楽しいものです。

 


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