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      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第199号】 発行日:2005年8月3日

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目次
■『新一次産業創造プロジェクト みやじ豚.com 本格始動』
                                宮治勇輔氏(第13期生)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
本日の日経新聞によると、民間企業の農業参入が相次いでいるとのこと。
2003年春に始まった構造改革特区と受けて参入した株式会社やNPO法人は
農水省の調べによると107法人に達したそうです。 さて、農業分野では、
新しい動きが芽生え始めておりますが、一新塾でも、農業に新風を巻き
起こすべくチャレンジを開始された方がいらっしゃいます。

そこで今回は、『新一次産業創造プロジェクト』で起業準備中の宮治勇輔さん
のメッセージをご紹介いたします。  

一新塾生の活動レポート■□■□■ ■■■□□■□■ ■■■□□■□
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   新一次産業創造プロジェクト みやじ豚.com 本格始動

■■■□□■□■ ■■■□□■□ 第13期社会起業家コース宮治 勇輔



6月末に勤めていた会社を辞めた。
新一次産業創造プロジェクトを本格的に開始するためだ。

新一次産業とは 川上(生産)から川下(お客さんの口に届ける)
まで農家が一貫してプロ  デュースする一次産業のことで、僕の造語だ。

■原体験   

実家は神奈川県の藤沢市で養豚農業を営んでいる。年に2回養豚農家の間
で豚肉の品質を競う大会がある。大会には生きたまま豚を出すが戻ってくる
ときには肉になっている。とても、うちだけでは食べきれないので、友人を
呼んでバーベキューをしたことがあった。

すると、「こんなに美味しい豚肉は食べたことがない。」と大絶賛。
どこに行けば買えるのか教えてほしいと聞かれる。でも、親父に尋ねると、
うちの豚はどこで買えるのかわからないという。

うちで自信を持ってつくったものを、みんなに食べてもらう。みんなは
本当に喜んでくれる。これは本当に嬉しいことだ。自分でつくったものを
自分で売ることが、僕はビジネスの原点だと思う。そういう意味では農業
は非常に魅力的なビジネスではないか、と本当に感動した。

でも、現状は自分で作ったものを自分で売ることができていない。
売ることができていないばかりではなく、うちの豚はどう流通してどこの
お店で売られているのか、どこのレストランで使ってもらっているのか全く
わからない。

バーベキューをきっかけに、僕は農業に深い関心を抱くようになった。

■日本の農業をとりまく現状   

農業従事者の平均年齢が60歳。若い世代が農業をやりたがらない。
この理由は一体何だろうか? きつい・きたない・かっこ悪い・おまけに
金にならないの4K産業というイメージが農業にはあるからだろうか?

食に関するGDPは約80兆円、そのうち一次産業におけるGDPは9兆円
らしい。あれだけ苦労して作物を作ってわずか10%。納得がいかない。
日本には金があるから、世界中から美味いものを輸入できる。だから、
日本で農業をする必要はないという人がいる。本当に日本で農業をする必要は
ないのだろうか。

外国から「うちの国で食べるので精一杯だから、日本には輸出したくても
できません。」と言われることが将来にわたって本当にないと言えるだろうか?

消費者は見た目のきれいな野菜に目を奪われて、本当に美味しい野菜は
どういうものかわからなくなっていないだろうか。日本農業が抱えている
問題というのは、農業従事者だけでは解決できない。

日本人全体が、自分の食べるもの及び農業にもっと関心を持つことがこと
が非常に重要であると考えている。

また、農家自身ももっと積極的に情報発信をするべきであると考えている。

そして、若くて優秀な人材が、「俺も将来は農業を志す!」と思えるような
産業であることを力強くアピールしていかなければならない。

■大切なのは、はじめの一歩

少しずつ考え続けることで、新一次産業創造プロジェクトに本気で取り組
もうと決心がついた。新一次産業創造プロジェクトでは、川上から川下まで
一貫してプロデュースする「みやじ豚.com」や、農業従事者を増加させるため
のプロモーション活動や、地域活性化の取り組みなどを考えている。

プロジェクトを少しでも前に進めるためにビジネススクールに通うことを
考えた。しかし、ビジネススクールは基本的にファイナンスやマーケティング
などを座学で教えるものでピンとこなかった。そういったものは自分で色々と
勉強し実践で体得していくものなのではと考えた。

そんな中で一新塾が僕の目にとまった。
これはちょっと普通のビジネススクールとは違うなと思った。

一新塾は現場主義を掲げている。各界の第一線で活躍している講師の話を
聞き、一方で自分で関心のあるテーマを掘り下げるために、実際に現場に
足を運ぶ。そこでは、実際に汗を流して活動している方の生の声、生の空気に
触れることができる。

夢を叶えることや目標を達成するためには、まずは一歩でも前に進まな
ければならない。歩き始めればあきらめない限り、いつか目的地に辿り着く。
大切なのは、はじめの一歩。一新塾は、僕にとってのはじめの一歩だった。



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