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      一新塾ニュース  〜 市民力で社会一新!

        【第238号】 発行日:2006年4月19日

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目次
■ 世界を変える宿題〜デリバレイティブ・ポールを普及させたい!
                  脇坂香里氏(一新塾第17期生)

■ 【東京・名古屋・大阪・福岡】で事務局長講演会&第18期説明会
        http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

■ 「地域プロデューサー」養成講座&ワークショップ (4/24)    
    講師:前澤哲爾氏(一新塾理事・全国FC連絡協議会専務理事)

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

皆さん、「デリバレイティブ・ポール(DP)」って知ってますか?
DPとは、「審議型世論調査」という意味で、十分な情報と熟考に
基づいた一般国民の意見を代表者に伝えるための仕組みです。

これを使って道州制時代のあるべき関西のビジョンを市民発・地域発
で発信し、国民的議論を喚起していこうというプロジェクト
「関西州.DP」を大阪の通信科メンバーと立ち上げたのが第17期生の
脇坂香織さんです。脇坂さんの思いをぜひ感じていただければと思います。


市民力で社会一新!塾生レポート■■□■■□■■□■■□■■□■

□     世界を変える宿題
■    〜デリバレイティブ・ポールを普及させたい!〜
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□■■□■■□■■□■■□■第17期市民PJコース通信科 脇坂 香里 
 
               

●世界を変える宿題

「世界を変えるアイデアを考えなさい。そしてそれを実行してみなさい。」
中学校の社会科の授業でこんな宿題が出された。できるはずのないこんな
課題に、一人の少年が真剣に取り組んだ。

少年は、「自分がまず3人を助け、その3人が別の3人を助ける。そうやって
善意の輪を世界に広げる」ことを思いつき、実行する。
『ペイ・フォワード』という映画の中の話だ。

私も今、その少年のように、身の丈に余る課題に挑んでいる。
その課題とは、「デリバレイティブ・ポール(審議型世論調査、通称DP)を
日本で普及させる」ことである。

●DPとの出会い  

「demokuraというNPOを立ち上げるから手伝ってくれないか?
 DPで真の民主主義を実現しよう。」

2年半前、仕事をもらっている翻訳会社の社長から、突然こんな話を持ちかけ
られた。DPとは、簡単に言うと世論調査とコンセンサス会議を足して2で
割ったようなものだ。具体的には、300人程度の人を国や地域から無作為に
抽出して縮図を作る。

その人たちは一般国民の代表として、議題について真剣に学び、議論を重ね、
意見を示す。情報と議論に基づいた世論を届けるための 試みである。

最初は正直言って、よく理解できなかった。政治に無関心な私は、そんな
大掛かりなことよりも、公園を掃除するとか、外国人に日本語を教えるとか、
もっと身近でリアルなことに取り組む方が性に合う。

荷が重いなぁと思いつつ、結局は熱意にほだされた。捨てネコを拾うような
気持ちで引き受けた。

● Wisdom of Crowds(群集の知恵)

活動してからしばらく、いろんな資料を訳していた。そうしているうちに、
鈍い私にもDPの可能性が少しずつ見え始めた。拾ったネコが思いのほか上等で
あることに気がついた。

日本の抱える様々な問題の根っこは、私たち一般国民があまりにも無知で
無関心なことにある。私たちは重要な決定を一部の代表者に任せすぎている。
ここを変えない限り、問題は繰り返される。

でも、普通の人は日々の生活で精一杯。一票の重みは吹けば飛ぶような軽さ
だし、「変な人」と言われる覚悟で何かを叫んでも、その声はなかなか届か
ない。それなら怠惰な普通の人でいた方がいい。

DPは、こんなジレンマを解消してくれる可能性を秘めている。一般国民は無知
で無関心かもしれないが、決して無能ではない。

様々な経験やバックグラウンドを持つ大衆が民主的に下す判断は、ウィキペ
ディアなどの例が  示すように、決して専門家だけの判断に引けをとらない。
発展は多様性の中で生まれる。DPがうまく普及・発展すれば、群集の知恵が
解き放たれ、様々な意思決定に生かされるようになるかもしれない。

● 一新塾の仲間たちと

昨年秋、私は一新塾に入った。その時私たちは、このアイデアをどうすれば
広められるかで悩んでいた。周囲の人たちに相談してみても、なかなか意見が
聞けない。問題意識の高い塾生から率直な意見を聞いてみたかった。

入塾して驚いた。多くの人がすぐにDPを理解して、意見を言ってくれるのだ。
その上、ぜひ実現しようと言ってくれる仲間が現れた。本科と通信科(大阪)
で関連プロジェクトが立ち上がった。

一新塾では、たくさんの塾生が日本を変える宿題に取り組んでいる。しかも、
中学校の教室と違って、様々なバックグラウンドや経験を持つ人たちが
集まっている。映画の中で、少年の試みは少しずつ広がり、やがて大きな
ムーブメントとなる。同じようにDPもいつかきっと日本に広がる。
そんな手ごたえを最近少し感じ始めた。                           



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