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        一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
         【第261号】 発行日:2006年10月5日
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目次
■ 卒塾生 〜ただいま起業準備中!地方で第2の人生推進中

    「自然活用QOL向上プロジェクト」 その後の活動報告

           〜炭焼キット、雪室キット開発の進展状況〜

                    一新塾第15期生   浅野 勝吾 氏

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
来年2007年から、約700万人に上る「団塊の世代」の
退職が始まるという こともあり、世の中では、第二の人生を
どう過ごすか、といったことに焦点が 当たってきています。

一新塾では昨年10月『シニア世代の第ニの人生設計〜
“会社貢献”から “社会貢献”へ』をテーマにシンポジウムを
開催させていただきました。そのシンポジウムにて、定年後の
第二の人生を、福島県にIターン、技術者としての経験と
スキルを生かして「炭焼きキット」を開発し地域貢献への
チャレンジを開始されることを宣言されたのが、一新塾第15期生
の浅野勝吾さんです。
http://blog.mag2.com/m/log/0000058219/106566285.html?page=5

先日、浅野さんから「ようやく雪室キット、炭焼キット試作機
がほぼ 完成しました!」とのご連絡をいただきました。
現場主義をまさに生きて いる浅野さんの奮闘ぶりが伝わる
メッセージをいただきました。ぜひ、 ご覧ください!  
なお、一新塾では、きたる10月12日に講演&ワークショップ
『第二の人生を考える!〜会社奉公から社会奉公へのパラダイム
シフト!』 を開催いたします。ぜひ、「第二の人生」のチャレ
ンジについて、皆さんも 一緒に考えてみませんか? http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/ev_mosikomi.html

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■■  卒塾生から起業レポート
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■    「自然活用QOL向上プロジェクト」その後の活動報告
□        〜 炭焼きキット、雪室キット開発の進展状況 〜                              

                 一新塾第15期生   浅野 勝吾

早いもので、定年を迎えてから早1年半、一新塾を卒塾してから1年、
福島県西郷村で田舎住まいを始めて8ヶ月が経過しました。
西郷村では、山林の 伐採・整地から始まって家の建築、野菜畑の開墾、
雪室と炭焼きの実験機製作 と、あっという間の8ヶ月でした。

以下に、「自然活用QOL向上プロジェクト」その後の活動と、
田舎生活に おける気付き等についてご報告します。

●「年単位」で考える田舎生活

  会社生活と田舎生活の一番の違いは、何と言っても活動の
「単位時間」だと 思います。サラリーマン時代は、「時間単位」
又は「分単位」の生活でしたが、 自然を相手にする田舎での生活は
「年単位」で物事を考えなくてはなりません。 この8ヶ月間、
単位時間の感覚がつかめずにいろいろな失敗を繰り返しました。

たとえば春先、日当たりが良いと思って選定した場所が秋口になるとは
まるで日当たりが悪く、日照時間不足で野菜がいっこうに育ってくれ
なかったり、 秋口に良かれと思って掘った井戸が、梅雨時の地下水位
上昇でポンプが水を かぶって水が使えなくなったり等、田舎生活は
1年を通してじっくり観察した上 で物事を進めないと失敗してしまう
ケースが多いように思われます。

●「現場を知る」事の重要性

  雪室・炭窯キット作りでも失敗を重ねました。
当初、雪室は断熱性を考えて地下に埋設する計画とし、昨年の初冬
の頃、 約5メートル四方で深さ2メートル程度の穴を掘り、その中に
防水シート構造の 木造小屋(雪室)を設置したのです。ところが、
製作途中の数日の長雨が続いた 後に見てびっくり、突然の地下水位
上昇で小屋がぷかぷか浮いているではありま せんか!  

この場所は、地下水位の変動が激しい場所だったのです。
泣く泣く地上設置の構造に計画を変更する羽目になってしまいました。
「ロケーション」を考慮した設計が必要だったわけです。
いわゆる、現場を知ら ない事に起因する予期せぬ問題続出でキット
の工期が遅れてしまったのです。

四季による差、気候による差、土壌による差、風向きによる差、
日当たりによる 差など、1年サイクルで物事を考えないと本当に
「現場を知る」事にはならない ようです。

●雪室キットと炭焼キットの試作機  

最近ようやく、雪室キットと炭焼キットの試作機がほぼ完成し、
今後多少の 改良を施していよいよ実証実験の段階に入ります。
一人だけの実践では効果は 小さいが、多くの高齢者が雪室キット、
炭焼キットを利用すれば、自然エネルギー の活用促進、間伐による
森林再生促進、CO2低減などの循環型社会構築と、 キット活用
コミュニティー・ビジネス創出によって地域の活性化に少なからず
貢献できるとの信念を持って、約1年かけて取組んでいきます。

●ラッキーなめぐり合い

  田舎生活での気付きを2,3紹介したいと思います。
まず、田舎で生活するには、従来の、隔離された別荘生活では
なく、田舎の人 の考え方、習慣をある程度知って田舎に溶け込む
方がベターです。この点に ついてはラッキーなめぐり合いが
ありました。

首都圏で建築関係の仕事について おり、月に2度ほど、
‘自然の霊気をもらいに’別荘(囲炉裏小屋)に通って くる
社長さん(75歳)と知り合う事ができたのです。

この社長の人徳でしょうか、社長が来る度に、近くの高齢の
地元民がこの別荘に集まり囲炉裏端談義に花を咲かせており
ました。この囲炉裏端談義に参加する 事によって、地元民との
交流と情報交換が出来、田舎の現状、風習と地元民たちの考え方
を理解するのに役立ったばかりでなく、現役で炭焼きを実践して
いる地元の人にもめぐり合うことができました。

都会では、‘人は人、俺は俺’で 割り切った生活をしている
のに対して、田舎では、まだまだ人との信頼関係が生活の基本
になっているようです。
従って、田舎の人は人間本来の気配り、 気遣いを非常に大事に
しますし、古きよき日本がそこにはあります。

●体力が低下している田舎の高齢者

  次に、田舎の現状についてですが、高齢化の予想以上の進展
と体力低下、 腰痛等の持病持ちの人が顕著に見られます。
農作業の機械化と車社会に起因する と思われますが、当初、
キット製作で地元民の協力が得られるものとひそかに期待して
いたのですが、見事に裏切られました。

体力を要する仕事はなかなか 頼めないのが現状です。 逆に、
都会から来た人に労働手伝いを期待しているふしがあります。
私も先日、近くの農家の稲刈り手伝い(コンバインの補助作業)
に駆り出され、 50年ぶりに田んぼで働いてきました。
都会からの体力のある高齢者が歓迎されるという笑えない状況が
田舎の現状のようです。

●「死の谷」脱却を目指して

一新塾での学びから1年経過し、社会起業を目指して
キット製品開発に奮闘 しておりますが、開発資金をすべて
自前で賄っている為、そろそろ資金難と いう「死の谷」に
直面しつつあります。

「死の谷」からの脱却を図るため、 開発を更に加速させて
いきたいと思います。



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