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一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
【第275号】 発行日:2007年3月1日
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目次
■ 塾生活動レポート「理念と現実の乖離 〜 アメリカ10年、今思うこと」
一新塾第5期 桑間 雄一郎 氏
■ 一般公開講座
「問題解決力養成ワークショップ」のお知らせ
(東京・大阪・名古屋)
→お申し込み詳細
「“週末市民”問題解決ワークショップ」(東京・大阪・名古屋)
●『ワーキング・プア 〜政策・NPO 未来からのアプローチ』
●『いじめ問題〜子供を取り囲む家庭・学校・地域の構造を考える』
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
皆さんは『裸のお医者さまたち』という書籍をご存知でしょうか?
日本の医局を飛び出し、米国に渡り、米国の医師免許をゼロから取得し直し
た著者が、日米のあまりにも違う医療の姿を紹介しながら、日本の医療の
問題点をあぶり出した、日本の医療改革への処方箋です。
2001年の出版から7年、そのメッセージは今も全く色褪せることなく
私たちに迫ってきます。
著者は桑間雄一郎さん、一新塾の第5期生です。
出版に至った桑間さんの熱い志は2001年8月に、このメールマガジン
でもご紹介させていただきましたが、「桑間さんの生きる姿勢に勇気を
もらいました!」と、読者の方からの反響が多く寄せられました。
→ http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/merumaga/kn_010810.html
現在も米国のベスイスラエル・メディカルセンター医師として、奮闘を
続ける桑間さん。10年を迎えられる米国生活での実感をこめて、日本
の新しい社会創造を担う皆さんにメッセージをいただきました。
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■■■■ 塾生活動レポート
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■■■ 「 理念と現実の乖離 〜 アメリカ10年、今思うこと 」
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□■ 一新塾生第5期
□■ 桑間 雄一郎
2001年8月に「私が『裸のお医者さまたち』を書いた理由」というメール
マガジン投稿をさせていただいてから7年が経とうとしています。
当時、私は均一化、多様性の欠如、悪平等主義で活力を失っている日本の状況
を嘆いて本を書きました。その後今まで、ニューヨークの病院で医師をしながら
アメリカの社会をじっくり観察する機会に恵まれました。アメリカは玉石混交
で混沌とし、想像を超える多様性をもち、そしてありとあらゆる面で不平等な
社会であることに間違いはありません。大学の授業料も年に何百万円だったり
しますから、お金持ちでなければ高等教育を受ける機会を得るのも困難です。
今回は、日本と反対を行くアメリカ社会の私の観察を報告してみたいと思います。
●議論のレベルだけが天より高いアメリカ
アメリカの特徴はなんといっても、個々人の戦いのバランスで社会が成り
立っているということです。自己主張をぶつけ合いながら、議論に勝った方の
意思が通る社会です。大局に立って全員の幸せを考慮したうえでの主張を展開
する素晴らしい一部の偉い人もいますが、多くは自分の利益を押し出すことが
本音で、大義名分を作り上げて上手に美しい論戦を張って個人の利益を実現
しようとする人々がほとんどです。
個人の利益を実現する口実に大義名分を上手に論戦に入れるのですから、
口はすごく達者で、日本人が静かにものを言わないのとまったく反対です。
一たび議論の戦いが始まれば、議論はいつも天よりも高い理念の応酬になって、
現実レベルから全く離れたものになっていきます。日本人ならばそんな非現実的
なことを口に出すのは恥ずかしくてできないと自制が働くのが普通です。
しかしアメリカでは、議論に勝つためには、双方とも現実のことなんか全く
お構いなしです。現実は理念の5分の1も実現できれば御の字というアメリカ人
の共通感覚があります。一たび口に出せば、自ら率先して実行し、発言の
100パーセント以上を実現する責任を負わされる日本人と全く反対です。
議論のレベルだけが天より高い理念に舞い上がり、取り残された現実は議論の
レベルにかみ合うことなく逆に地の底に落ちていく現象があちらこちらで観察
できます。
●アメリカの病院での実例
議論される理念と現実の乖離は、個人レベルだけでなく普遍的社会現象として
アメリカの社会の全てに存在します。具体的一例を私の病院でおきた現象として
紹介します。アメリカの医療環境の理念は高く、患者の権利章典であるとか、
インフォームドコンセント(知らされた上での治療への同意)といった日本の病院
が一生懸命アメリカに習えとその理念を取り入れようとするルールが気の遠くなる
ぐらい多く存在します。
これら高き理念が実現されているかを病院の質監査機構が定期的に立ち入り調査
に来るのですが、この調査に合格するための病院側の準備は大変です。いくつもの
質改善チームが結成され、人も雇われ、多くの経費を使って、調査団か来るその
瞬間だけでも合格点に届くように多大な努力が払われます。調査団が来る当日は、
予約患者さんの数を半分に減らしてまで粗相のないように大緊張です。大々的な
準備に大金を使い果たし、ようやく合格したのはいいのですが、お金がなくなって
病院資材の問屋への払いが滞納し、結局は病院の手拭ペーパーさえ不足する事態が、
その後数ヶ月間も続きました。全職員がしっかり手洗いをして、院内の感染を防ぎ
ましょうと沢山のトレーニングセッションまで設けて大キャンペーンを張ったのに、
手拭ペーパーが買えなくて手が洗えない。本末転倒のお笑い話は、アメリカでは
日常茶飯事です。
アメリカの理念、すなわちルールは厳しすぎるので、形の上だけのルールクリア
が精一杯になり、現実面で機能していないことがほとんどです。アメリカ人は形式
的にルールをくぐり抜けることだけに長けていますが、それはひどい現実に目を
つぶって放置することに慣れていることを意味するのです。人の命は地球よりも
重いという高い理念で議論や裁判がなされ、医師の立場からはミスとは到底いえない
事例にも何億円もの損害賠償が認められたりする判決が続出した結果、いまや
産婦人科の医師一人当たりの医療過誤保険(医師が医療訴訟に負けたときの損害賠償
を払ってくれる医師が入る保険)の掛け金が年に1000万円で、日本の100倍の掛け金
です。これでは採算が合わないということで、出産施設が全米で次から次へと閉鎖
に追い込まれ、最寄の出産施設が100km離れたところなどという地域も続出して
きました。人の命は地球よりも重いという高い理念が、出産施設がなくなって人の命
が虫のように扱われる現実を生み出しています。理念すなわち議論は天より高く、
そして現実はいじけて落ちていく。これがアメリカの特徴といえます。
●「アメリカ産」との付き合い方
ここで日本の皆さんに伝えたいメッセージがあります。
アメリカの理念すなわち議論のレベルと現実のレベルには大きなギャップがある
ことをいつでも念頭に置いて全てのアメリカ産と付き合わなければならないと
いうことです。
日本はアメリカの反対で、目の前の現実だけに敏感で理念が欠けています。
議論もしません。ある程度豊かになった日本の現実の中で、次に進むべき姿を
見失っています。自ら議論して次の理念を作り出す力に欠けているのが日本です。
理念をアメリカなどの理念先進国から輸入せざるをえないため、他国の研究が盛ん
になり、アメリカの理念も盛んに紹介されています。ただ、その際に、アメリカの
理念は現実とかなり異なることを強く意識し続けながら参考にしなければなりません。
社会制度改革の日本の議論では、外国輸入の高い理念を勉強した高い意識をもつ
優秀な先進派の人々が、アメリカではこのような立派な制度になっているのだから
日本も少しは取り入れないといけないと主張します。その一方で、既存制度に益を
得ている保守派がアメリカの現実はこんなにひどいと反論するパターンが多いと
いえます。つまり、アメリカの理念と現実のギャップが、そのまま日本の先進派と
保守派の議論のギャップに置き換わって現れるのです。この構図を双方が理解して、
先進派と保守派の主張のどの程度の中間点が程よいかを探ることに意味がありそうです。
アメリカ相手の商売の駆け引きでも同じことがいえそうです。アメリカ人は
自分たちのセールスポイントを、現実の数倍も誇張して話してくるのが常です。
結果として低い実態が待ち受けていても、それを申し訳ないと感じる責任感は期待
できません。
高い理念のビジネスモデルを参考にするのは大切ですが、議論に引用されるデータ
のせいぜい数分の一程度が実現期待度であることを常に念頭に置いて商売をしないと、
すぐに足をすくわれる結果になります。
そして多分、政治的駆け引きにおいてさえ、同じ配慮が必要なのだと想像します。
口だけ文化のアメリカが描いた高い理念は、理念欠如の日本にとっては大変参考に
なります。しかし、いつでも実現可能なレベルまで高すぎる理念を調整してから
日本へ輸入する必要があります。
理念と現実の乖離、これはアメリカ産の政治、商売、制度を眺めるときの
キーワードなのです。
■■■■■■■■“全て”の市民は時代を創造する力を持っている!■■■■
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■■ 『 “週末市民” 問題解決ワークショップ 』 参加者募集中
■
□ 【 東京・大阪・名古屋 】 → お申し込み
「自分が望む人生を!」「理想の国づくりを!」
きっと皆さんの心の奥に、こうした思いが大切にしまわれているのではないでしょうか?
しかし、昨今の社会状況は、職縁社会は崩壊、コミュニティはズタズタ、
家族の絆も切れ、“つながりの喪失”社会です。
あるいは、カネ、地位、社会的評価にふりまわされ、メディアに翻弄され、
ニヒリズムに呑まれ漂っている人たちが激増する“目的の喪失”社会でもあります。
では、皆さんは、こうした現実に直面し、どうお感じでしょうか?
「関心はあっても、仕事に追われて・・・」
「いざ、何とかしようと思っても、どうしたらいいかわからない・・・」
そんな皆さんのために
「週1日の活動でも、これだけ社会が変えられる!」と実感いただける
“週末市民”の 問題解決ワークショップをご用意させていただきました。
東京・大阪・名古屋で開催いたします。
私たち“全て”の市民は、時代を創造する力を持っています。
年齢も性別も国籍も地位も職業も関係ありません。
様々な世代、様々なバックグラウンドの方々との主義主張を超えた議論を通じて、
計り知れない知恵が溢れることを感じてみてください。
今回は、深刻な社会問題になっている『いじめ』や『ワーキング・プア』の
問題をケースに取り上げます。
◎「政策」によるソリューション
◎「NPO」によるソリューション
◎「社会起業」によるソリューション
初めての方でも、上記の3つのアプローチを駆使して、
自ら社会問題の解決策を提案できる方法論が体得できます。
ぜひ、ご参加いただけますことを楽しみにしています!
一新塾事務局 森嶋伸夫
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■ 東京本校 →お申し込み
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日 時:3月24日(土)13:30〜18:00
会 場:一新塾セミナールーム
[住所]東京都港区芝3-28-2カスターニ芝ビル2F
[地図]http://www.isshinjuku.com/01issin/i_chizu-1.html
テーマ:『ワーキング・プア〜政策・NPO 未来からのアプローチ』
● 現場主義での問題解決のアプローチ
● 先読みする力
●『ワーキングプア問題』を“バックキャスティング”の手法で、
問題解決の戦略立案
●「6つの箱」の問題解決・創造のフレームワーク体験
● 先人の知恵に学ぶ
ファシリテーター: 森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
参加費:3000円(当日受付にて承ります)
定 員:20名(先着順)
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■ 大阪拠点 →お申し込み
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日 時:3月31日(土)13:30〜17:30
会 場:エール学園1号館 307号教室
[住所] 大阪市浪速区難波中3-9-3
[地図] http://www.ehle.ac.jp/so.html
テーマ:『ワーキング・プア 〜政策・NPO 未来からのアプローチ』
● 現場主義での問題解決のアプローチ
● 先読みする力
●『ワーキングプア問題』を“バックキャスティング”の手法で、
問題解決の戦略立案
●「6つの箱」の問題解決・創造のフレームワーク体験
● 先人の知恵に学ぶ
ファシリテーター: 森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
参加費:3000円(当日受付にて承ります)
定 員:15名(先着順)
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■ 名古屋拠点 →お申し込み
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日 時:4月1日(日)13:30〜17:30
会 場:名古屋芸術創造センター大会議室
[住所] 名古屋市東区葵一丁目3番27号
[地図] http://www.culture.city.nagoya.jp/naka/geijutu/main.html
テーマ:『いじめ問題〜子供を取り囲む家庭・学校・地域の構造を考える』
● 現場主義での問題解決のアプローチ
●『いじめ問題』ケースを通じて、問題解決の戦略立案
●「6つの箱」の問題解決・創造のフレームワーク体験
● 現状・原因分析の手法
● 先人の知恵に学ぶ
ファシリテーター: 森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
参加費:3000円(当日受付にて承ります)
定 員:15名(先着順)
【ファシリテーター・プロフィール】
森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
88年より積水ハウス(株)で「都市開発」「まちづくり」の仕事に携わる。
一新塾第3期に入塾。97年より一新塾マネジャー。
主体的市民教育プログラム開発に力を注ぎ、この10年で2300名近くの主体的市民輩出
に携わる。また、毎年20以上の政策提言、社会起業、NPOなどのプロジェクトの
インキュベーションに関わる。02年NPO化に伴い、一新塾代表理事・事務局長。
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