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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
         【第323号】 発行日:2008年4月1日
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目次
■ 塾生活動レポート

『 変革期を迎えた等身大の「キューバ」 』
                     一新塾第11期  新田 雅之 氏

■ 2008年5月25日開講、第22期説明会
  「今こそ、ライフスタイル一新!」〜東京・大阪・福岡・名古屋で開催!

   ・東京会場  4月2日(水)19:30〜/4月5日(土)15:00〜ほか
    ・大阪会場  5月3日(土) 13:30〜16:00
    ・名古屋会場 5月4日(日) 13:30〜16:00
   ・福岡会場 5月5日(月祝)13:30〜16:00
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

■ 公開講座&ワークショップ

(1)「北海道米「幻の米」おぼろづき誕生物語〜次世代農業と地域振興」
     講師:阿部義一氏(美唄市議会議員・農家)
     日時:2008年4月11日(金)19:30〜21:30
(2)「ローカル鉄道とまちづくり〜“ぬれ煎餅”で再生した銚子電鉄!」
     講師:向後功作氏(一新塾第18期生・銚子電鉄 鉄道部次長)
     日時:2008年4月14日(月)19:30〜21:30======================================================

メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。
3月28日から30日にかけて、名古屋、大阪、福岡と「市民プロデューサー
入門講座」を開催いたしました。それぞれの地域の活動はとても活発で、
実践的な知恵を求められている方が多く、参加者同士で支援しあいながら、
プランをブラッシュアップいたしました。メルマガをお読みいただいている方
にも多数、ご参加いただきました。本当にありがとうございました!

 さて、今回はアメリカ在住の第11期生、新田雅之さんからの「キューバ」
レポートをお届します。新田さんには、これまでにも、一新塾ニュースにて
グローバルな視点からのメッセージをいただいております。

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■■■■ 塾生活動レポート
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■■    『 変革期を迎えた等身大の「キューバ」 』
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■□□□□□□□□□          一新塾第11期  新田雅之

  米国で、総合リスクマネジメントのコンサルティング会社に勤務している
ことから、NAFTA圏、中南米、カリブ海諸国との縁が出来て十数年が経つ。
人質誘拐等のリスクマネジメント業務対応も行っている仕事柄、中南米や
カリブ海諸国の一般犯罪や誘拐事件をウオッチングし、現地にも足を運んで
来た。

 そんな具合に、「カリブの真珠」と呼ばれるキューバにも同様の対応をして
きた。キューバは、アメリカが気嫌う、社会主義国。 従って、米国のメディア
が伝える報道は、当然ながらバイアス(Bias: 偏った)の係ったネガティブな
イメージが先行し、それが我々日本人の目にも色濃く映る。因って、私を含め、
キューバを訪れる人は、西側メディアが形作るイメージと、等身大のキューバ
との間の大きな落差に驚く。

 そんなある日、キューバ共和国のニュースが目に飛び込んで来て、目が
釘付けになった。 

 フィデル・カストロ議長(81)が「国家元首にあたる国家評議会議長を退任する」
(ロイター通信)との声明を発表した。コロンブスの第一次航海で、1492年に
西洋人に発見されたキューバ[元々、アラワク族やカリブ族が住んでいたが、
「発見」と表現された]。今回の報道は、一つの時代の幕が下りた事を意味して
いた。気の早い、ブッシュ大統領などは、「キューバの民主化が始まる」 と
コメント。だが実際は、フィデルの弟、ラウル・カストロ(76)が政権を継ぐ
為、フィデルは院政を敷く事になる。ラウル自身もキューバ革命の立役者の一人
なので、フィデル路線は、暫くの間、確実に継承されるだろう。だがその後は、
もう誰にも分らない。
 
 カストロ議長がチェ・ゲバラと共に、バチスタ政権を倒したのが1959年。
 あれから約半世紀が過ぎた。 革命後、キューバは社会主義路線を歩み、米国
のケネディ政権とは「ミサイル危機」で、核戦争一歩手前までいった。キュー
バ人の資本家や、外国の「資本」は、社会主義路線をこぞって嫌い、事ある毎
にカストロ議長を非難した。反キューバの最大勢力は、キューバの元富裕層で、
その最大勢力は海を挟んだ対岸、米国のフロリダ州で対峙した。彼らは、
キューバの体制こそ嫌ったが、キューバの土地を懐かしみ、今でも望郷の念で
一杯だ。キューバはフロリダの最南端、キー・ウェストから僅か90マイルの
目と鼻の先にある。だが、望郷の念に駆られる、在米キューバ人やキューバ系
アメリカ人にとっては、最も近くて遠い国。「祖国とは遠くにありて思うもの」
は、在米キューバ人にも当て嵌まる。 

  カストロの率いたキューバが敷いた体制は、国民が漏れなく受ける事の出来る
医療と教育。地元の人々の自慢だ。そして彼らは、何時しかキューバからは、
人種差別がなくなったと云うので私は驚いた。 キューバは貧しい国で、米国
の経済封鎖とソ連の崩壊による支援の打ち切りで、経済は益々逼迫し、物不足
は深刻な問題となった。現在でもキューバ国内を走る車は米国産の50年代の車
が大半だ。そんなキューバは、被災地や、より貧しい中南米やアフリカ諸国に、
しっかり教育した医師団を毎年大勢派遣し続けている。その為、米国がキュー
バを非難しても、キューバを影で支える国は結構多く、国連の決議でもキュー
バが窮地に追い込まれると、恩義を感じた国から、今でも Abstain(棄権票)
が投じられる。 

 キューバは近年、旧宗主国であるスペインの資本を初め、欧州や、左に大旋回
した中南米からの資本流入で、絶え絶えになっていた経済が少しばかり息を吹
き返した。それでも、主な産業が鉱業、観光に加え、サトウキビ、葉巻にラム酒
といった農業に頼るところが大きいので、国民の生活は大変だ。夜になると節電
の為に、首都のハバナですら一部の蛍光灯の街頭を除いて真っ暗になる。交番
は至る所にあり、治安は保たれているものの、不安は払拭できない。また、首都
のハバナを離れ、田舎の町に行くと、交番の数はめっきり減るので、反比例する
形で一般犯罪が起こるので注意が必要となる。

 それでも、キューバの国民は明るく、とてもフレンドリーだ。
 サルサの音楽は街の至る所から空気の如く流れてくる。そして流れて来たと思っ
たら「Vamos a bailar」と言う事で踊りだす。 「お前も踊れ!」というので
実際に踊る事となる。 また、ハバナの市内には、キューバ名物の「キャバレー」
があり、「トロピカーナ」や「エル・パリジャン」のショーが有名である。常夏
のキューバではあるが、「キャバレー」に入るには長ズボンが要求される。短パン
の人は入れて貰えないので要注意。長ズボンも必ず一本持って行く事をお勧めし
ます。 

そして、キューバの財産は「カリブの真珠」と愛称が付く位に美しい海。
  旧宗主国、スペインの資本は次々とリゾートを開発、先駆開拓している。そして
西側世界から訪れた人々は皆一様に、「社会主義国」にいるとは思えないと言い、
西側のリゾートと錯覚する。そして私自身もうかっり、彼ら同様に錯覚したのだっ
た。キューバ人は皆愛嬌がある。だからといって、間違っても彼らに政治的な質問
をしてはいけない。千に一つや万が一、彼らに迷惑や問題が降り掛かってはいけ
ないからだ。 

 キューバへの行き方は、米国からの直接入国は不可能なので、カナダやメキシコ
経由での入国が一般的だ。 キューバ政府も観光客に迷惑が掛かってはいけないと
心得ている為、出入国の記録は一般には分らない様になっている。そう、出入国の
際、小さな染みの様なマーク●をパスポートに押してくれる。係官は社会主義の
国らしく、無愛想なのであまり期待しない方が良い。そうした無愛想な面も含め、
キューバに行く機会があれば、皆さんには存分に楽しんで来て貰いたいと思って
いるのです。 

そんなキューバについて、ある方のコメントを伝え聞いた。
「キューバは物はないが、豊かなんだよ。 人がやさしく、思いやりがあってね。」と。
  そう、キューバはまさにそんな国なのです。




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