2009/04/07 【一新塾ニュース】第378号: 「SPA!」4/14号p20に掲載!
「開発が進む多摩丘陵『都心から最も近い、広大な里山』を次世代に!」


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         一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
          【 第378号 】 発行日:2009年4月7日
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■ 塾生活動レポート

  今週号「SPA!」に掲載!
  「 開発が進む多摩丘陵『都心から最も近い、広大な里山』を次世代に!」

                          第22期生 内田 竹彦
                
■【 参加者募集 】 第24期 説明会

   東 京 :4月 8日(水)19:30〜21:30/4月11日(土)15:00〜17:30 ほか
   大 阪 :4月25日(土)13:30〜16:00 
   名古屋 :4月26日(日)13:30〜16:00
   福 岡 :4月29日(水祝)13:30〜16:00

  ★お申込→ http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

■【 参加者募集 】一般公開講座

   ●2009年4月11日(土)19:00〜21:00
       湯浅 誠 氏 『「すべり台社会」からの脱出 〜 貧困問題の本質に迫る 』

  ●2009年4月17日(金)19:30〜21:30
      塩見直紀氏『“半農半X”というライフスタイルで社会を変える! 』

   ★お申込→ http://www.isshinjuku.com/04i_hassin/ev_mosikomi.html

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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
  本日発売の雑誌『SPA!』(小学館)の「東京最大の“里山破壊”計画を許すな!」
のページを、ぜひ、手にとってご覧ください。
このメルマガでも何度か取り上げさせていただいている東京都稲城市南山の里山
の巨大開発について4ページにわたり特集記事として掲載されています。

 今回は、「稲城の里山を東京の里山に!」との熱き志で、この東京最大の里山
の魅力と可能性を存分に引き出す活動を日々積み上げている第22期 内田竹彦さん
のメッセージをお届けいたします。

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■■■■■ 塾生活動レポート
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■■■     「 開発が進む多摩丘陵
■■■■     『都心から最も近い、広大な里山』を次世代に! 」
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■■■■■■□               一新塾第22期   内田 竹彦

●一新塾でプロジェクトを立ち上げる

  私の住む東京都稲城市は、新宿から西へ約15km、電車で約30分に位置
している人口約8万人のベッドタウンです。30年ほど前までは、都心に近い
ながら、昔の農村の暮らしのある町でした。現在は、市の北側は多摩ニュータウン。
多摩ニュータウンとはジブリ映画『平成狸合戦ポンポコ』の舞台になったところ
です。3月に東洋経済から出た調査結果では「住みよさランキング全国第一位」
になりました。その点大いに自慢したいところですが、一方で、その最大のうり
である約87haの里山(通称:南山)が、開発でなくなろうとしています。

 里山とは、人の暮らしの中にある野山で、そこで畑を耕したり、薪になる木
を取ったりしている場所。そこは人が適度に利用することで、かえって多くの
生き物が暮らしているのです。南山も多種の樹木に囲まれタヌキ、ウグイス、
オオタカ、クワガタ、キツツキ、カブトムシ、など数百種類の生き物が暮らして
います。

 私は、一昨年から子供のころから親しんだこの里山が残せないかと、自然保護
団体の活動に参加したり、市民の方々と活動を始めました。昨年の8月からは
一新塾でメンバーを募り「稲城の里山を東京の里山へ!」プロジェクトを始めました。

●「稲城里山元気塾」発足

 活動を通じ、東京都、稲城市、組合の方々と話をするなかで学んだのは反対の
ための反対運動からは、何も生まれないということでした。みんな心の奥に
持っている共有のものがあるのでは、そこで繋がることがとても大事なのではと
感じるようになりました。

 そこで、自分が心の中で感じていた里山がどれだけ貴重な場所かということを、
多くの人に感じてもらう活動を始めました。そこでプロジェクトメンバーと
立ち上げたのが「稲城里山元気塾」です。地権者の人にも改めて持っている土地
の新たな価値を感じ、尊い里山の存在を共有できたらという想いもありました。

 ここでは、山の畑、雑木林、休耕田などを利用して、散策、きのこ狩り、
イモ掘り、大根抜き、ネイチャーゲーム、自然観察、農業体験、鍋パーティー、
下草刈り、など、数々のイベントを実施しています。昨年秋から今年3月までに
延べ200人以上が参加くださっています。
 

●進む事業

 この開発は(大手法人、個人を含む)260名の地権者からなる組合が事業主体
の民間事業です。その9割を超える地権者が書類上は同意して始めた事業では
あります。この開発の根底には、地元地権者の税金問題があり、長年固定資産税
を払ってきた地権者にとって、開発して売れる土地にして、相続税の資金にしたい、
とか、家族に家を建てられるようにしてあげたい、という動機があります。
また、土地所有面積で全体の約38%を持つ、三井不動産とよみうりランドも
宅地にして売れるように、とか、人が住めば遊園地にも人が来ると考えていると
組合識者は話しています。

 このような状況で、事業は粛々と進んでいます。3月にはとうとう工事も始まり、
多くの樹木が伐採されてしまいました。

●誰のための開発か

 9割が同意した事業ではあるのですが、現実にはその事業内容を説明されて
いないで、よくわからないままハンコを押した住民や、農家の方もいます。
里山のまま残すのがいいと事業自体に賛同しない地権者もいます。このような
状況で始まった事業は、その後2回行われた年度総会の議決、特に昨年の事業
計画の見直しの議案には170名強の賛成票という結果で、地権者の9割には
至っていませんでした。

 事業自体の不透明さも地権者にとってはあります。地権者の意向を後回し、
又は訊かないままの仮換地指定です。仮換地指定とは開発後に本人の土地が
どこにどのようになるか決定する行政行為です。地権者にとっては自分の財産が
どうなるか非常に重要なことなので、本来は充分に地権者の意向を訊き、協議を
重ね行うのですが、少なくとも1割以上の地権者が同意をしないまま、一般地権者
が発言できる機会のない総代会で決定が行われました。そして行政不服審査請求
が地権者の間から出されている状態で、工事が開始となりました。

  そして、これまで一貫して、情報公開が断片的で、どのようなリスク、責任が
地権者にあるかが判断できないでいます。
そしていま、百年に一度の金融・経済危機、少子化、高齢化、住宅ニーズの
減少など、現実に起きている未曾有の問題に対し事業がどのような状況かも
わからず、地権者自身も将来への危惧がでてきている状態です。

 そして、行政は組合がやっている事業なので、安全や事業のリスク、責任は
組合員(地権者)にあるというスタンスです。事業を後押ししていながら、
もしもの時には助けないという姿勢が明らかになってきました。

  事業責任もリスクも地権者だけが背負ったまま、なかにはこのままでは生活
が出来ないという地権者がいる中、工事だけは粛々と進められています。
行政もそれを後押しています。一体だれのための事業なのでしょうか?

●試される市民力

  このような状況が組合内部で起こっている中、開発見直しの行動を行って
きました。昨年8月には20000筆の署名を携え市長に開発見直しの対話を
求めましたが実現しませんでした。今年3月には25000筆を超える署名を、
今度は議会に提出し、開発見直しを求めました。現在、継続審議中で、なんとか
この声が消えてしまわないように、稲城の宝であることを共有認識にしようと、
行動を続けています。

 地元での活動を通して、いかに自分が市政に市民として参加していなかったか
痛感しました。特に、市民の代弁者の議員とさえも、その関係は遠いものでした。

 数年前まで、テレビで政治の批判ばかりしていた私は、もう批判はやめようと、
しっかり勉強し、選挙とか、行動しようとしてきたつもりが、肝心の自分の暮らし
に最も近く、影響の強い、市政に無頓着だったのです。

 しかし、今回の活動で稲城市の行政の街づくりや、議会の、各議員の活動を
肌で感じることができました。これは自分の将来にわたって暮らすまち、そして
住民のためのまちのがどうあるべきかを大いに考えることができ、収穫でした。
組織や企業の論理での箱もの中心の街づくりでは、人間はおいてけぼりとわかり
ました。そして、周辺地域にはもはやない野山(里山)という稲城唯一の宝も失う。
なので、自然とともに暮らせるまちにしないと、地権者も市民もすべてを失うと、
感じました。

●今後の活動

 工事は現在いったん止まっていますが、いつ再開されるかわかりません。
賛成反対の枠でない、大きな枠で、地権者の方々と里山の価値を共有できるように、
心に響くように伝えつづけ、引き続き頑張っていく覚悟です。

 そして、近い将来東京で暮らす人が自然あふれる稲城に何万人と訪れる場所
になるように志を失わず行動していきます。

 現在「稲城里山元気塾」では開発見直しの電子署名を行っています。
稲城市だけでなく全国の方の声を地権者に届け、その価値の共有から、開発見直し
につなげる目的です。ご覧いただきコメントお寄せいただけましたら、この上ない
ことです。(できる限り実名でお願い申し上げます。)

署名サイト『署名TV』
企画名『東京都稲城市のタヌキの暮らす多摩丘陵(南山)開発見直しを求める署名』
http://www.shomei.tv/project-817.html

  また、繰り返しになりますが、現在発売中の雑誌『SPA!』に、この開発問題が
4ページにわたり掲載されています。
ぜひこちらもご覧いただきたくお願い申し上げます。

【稲城里山元気塾HP】 http://outdoor.geocities.jp/ecofarmer1/

 

 


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