2010/06
/07 【一新塾ニュース】第419号:
塾生活動レポート
『たった一人の想いから地域は変わる』

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          一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
          【 第419号 】 発行日:2010年7月10日
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■ 塾生活動レポート
          『 たった一人の想いから地域は変わる 』
               一新塾第18期・第20期 本科 市来広一郎

■【参加者募集】「第27期説明会」2010年11月7日(日)開講
   東 京:8月26日(木)19:30〜21:40
        9月 1日(水)19:30〜21:40
        9月 4日(土)15:00〜17:30
   大 阪:8月28日(土)13:30〜16:00
   名古屋:8月29日(日)13:30〜16:00
   → http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
  生まれ育った熱海の発展のために一新塾第18期在籍時に脱サラ起業、
熱海のまちづくりに奮闘されている市来広一郎さん。
  市来さんは、熱海の魅力を満喫する体験交流型プログラム「熱海温泉玉手箱
(オンたま)」の実行委員長として、地域の人々と協働して、熱海の魅力を
ますます掘り起こし、地域に目覚めを起こしています。
  2010年10月〜11月の第4回プログラムの企画づくりで熱海を飛び回っている
市来さんより、熱きメッセージをいただきました。

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■■■■ 塾生活動レポート
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■■        『 たった一人の想いから地域は変わる 』
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 4年前、一新塾に入った。
その1年後には、働いていた会社を辞めて、東京から地元熱海に帰って
地域づくりに取り組み始めた。その後、NPO atamista を設立し、
体験ツアーのプロデュースを通した地域づくり、地域の人財づくりを行っている。

 一新塾に入ったのは、それまでの社会に出て感じてきた違和感があったからだ。

環境が 豊かなのに仕事がなく生活できない地方。やりがいのある仕事はあるが、
環境が貧弱でストレスフルな都会。そんな中で自分だけは滑り落ちないように、
あるいは上にあがっていこうと、大きなストレスを抱えながら必死で努力して
いる人々。私自身もそうだった。

 ビジネスコンサルタントという仕事をして、仕事にやりがいは感じ、顧客企業
には貢献できていても、社会を良くしているという実感が伴わない。周りを見渡す
と心身を病み、脱落していく人が増えていく。どこの企業でもそういった人々は
多かった。

 このままでは、自分だけが生き残っても社会全体は沈んでいってしまうのでは
ないか、自分だけが生き残っても意味はないんじゃないか、そう感じていた。

●生まれ育った熱海にずっと愛着があった!

 生まれ育った熱海には、ずっと愛着があった。そして、熱海には可能性を感じ
ていた。熱海の自然環境、個人商店や商店街が残る街並み、歴史文化の積み重ね。
そして都市圏からの近さ。暮らす場、訪れる場としてこれほどの潜在的な魅力を
持った「まち」はないのではないかと思っていた。しかし、観光客数の減少、
人口減少、 高齢化、観光産業の衰退と、現実は厳しかった。10代の頃から
そんな状況を見ていて、漠然と「いつか熱海に帰ってきて、地域をつくる仕事
をしよう」 そう思っていた。しかし何から始めていいか、まったくわからなかった。

 一新塾に入り、同じように社会に対する違和感を感じ、何か行動をしていきたい
と思っている仲間がいることを知った。そして、既に多くの先輩たちが行動を起こし、
社会を変えることを実践してきていることを。自分があまりにも狭い社会の中で
生きてきたことを気づかされた。そういう方々に触れるにつれ、自分の中の問題
意識がはっきりとしてきた。自分の守りたいもの、つくっていきたいものが生まれ
育った熱海にこそある、自分がやるべきことは熱海にある、そして自分にも何か
できることはあるのではないか。そう確信したとき、会社を辞めて熱海に帰ること
を決意した。

●たった一人の小さなアクションが大きな変化を起こす

 一新塾で得たものは、自らの根っこにある想いをさらけ出し、その上でアクション
を起こしていくことの大事さだ。たった一人の小さな想い、小さなアクションが
大きな変化を起こしうる。自分自身の一新塾での実践の経験、そしてまた多くの
一新塾の塾生を見てきて、それを実感した。

 そして、いま、一新塾で見てきたことと同じことが、熱海で起こっている。
旅館を頂点として大きなピラミッド構造で成功してきた熱海。しかし、その中で
見過ごされてきたものは多くある。農地は商業地、住宅地になり、自然は開発され
破壊されてきた。そして、農家や漁師、小さな商店、様々な市民活動なども。
しかし、そういった中にこそ、もっと地域をよくしていきたい、という想いを持って
行動しようとしている、かっこいい“おじちゃん”や“おばちゃん”がたくさんいる。

 私たちは熱海温泉玉手箱、通称熱海オンたまという、熱海の体験ツアーを数十個
集めて行うイベントをやっている。地域の中にいるかっこいい“おじちゃん”や
“おばちゃん”などの想いを引き出し、地域の体験ツアーとして形づくることが
私の仕事だ。

 例えば農業体験のツアーを体験し、農家のおじちゃんの想いやその想いでつくられた
美しい農園に触れると参加した人たちは感動する。そして、農家のおじちゃんの
ファンになる。そのうち、農家のおじちゃんを行動で応援する人も出てくる。
そうすると農家のおじちゃんもますますやる気になって、自分の隠れていた想いにも
気づき、さらにアクションを起こしていく。そんな現実も生まれている。スゴいのは、
そういった事実に周りも感染することだ。それまで、ほったらかしで荒れ放題なって
いた隣り農家さんも、そんな現実を見て、誰も何も言わなくても見違えるほどの
きれいな畑に、畑を生まれ変わらせた。想いが行動の連鎖を生んだ。

 熱海ではこのような、たった一人の人の想いから始まる行動が少しずつ生まれ
始めている。それも一人や二人でなく、数十人の方々の動きが。
たった一人の小さな想い、小さなアクションは、地域に大きな変化を起こしうる、
そう感じている。厳しい現実にある地方のまちの問題が解決するにはまだ程遠い。
しかし、地方にこそ、「豊かな生活、そして面白い仕事がある」、そんな未来に向けて、
いま熱海もいま動き始めたところだ。

 


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