■ 生活者主権のための83「法案」デッサン(1〜20法案)

1. 法案名:選挙権法
(義務教育法、国籍法の関連法案)

内容:
1)選挙権は、年齢によって自動的に授与するのではなく、本人が社会人としての責任、および権利を行使する意思表示があった時のみ授与するとの考えを明確にする。
2)18歳以上の義務教育修了者(義務教育は高校修了まで延長)にそれを与える。
3)日本において教育を受けていなくとも(外国人を含む)、5年以上日本に合法的に滞在し、本人または配偶者が納税している場合は参政権を与える。
4)被選挙権は30歳以上で、納税10年以上の者に与える。

現状における問題点:
1)参政権の付与は、国籍と年齢だけに基づいて自動的に与えられている。
2)外国人には参政権が与えられない。このため、自分の自由意思ではなく来日した人々が参政権を得ることができない。

予想されるメリット:
1)本人の意思と納税を基準として参政権が与えられる。
2)外国人にたいする排他性を取り除くことができる。

2.法案名:被選挙権法


内容:
1)現在の年齢のみによる被選挙権の授与を改め、参政権を得てから税金を合計10年分納めた者に対して、被選挙権を与える。
2)これにより、社会がどのように運営されているかを把握し、納税を通じて社会的責任を果たした人に被選挙権が与えられるようになる。

現状における問題点:
1)被選挙権が自動的に得られることから、その社会的な責任についての認識が低い。
2)社会的責任を果たした実績をはかるうえで、年齢は適切な指標ではない。

予想されるメリット:
1)納税行為等の社会的責任を果たすことの重要性に関する認識が高まる。
2)立候補者の社会的意識が向上する。

3.法案名:多選禁止法案

内容:
国会議員は20年以上の議員活動を、そして地方自治体の首長選挙においては三選以上の立候補を禁止する。

現状における問題点:
1)地方自治体における首長の多選により、地元業者などとの癒着が生じ易くなる。
2)国会でも小選挙区制が導入される前提では、選挙区内における利権構造ができやすくなると予想される。

予想されるメリット:
首長選挙においても、国会議員の選挙においても、利権構造や業者との癒着を未然に防止することに大きく寄与する。

4.法案名:天下り禁止法

内容:
国家公務員が満35才以上で離職した場合、出身官庁の関連業界についてはならないものとする。

現状における問題点:
1)現行の国家公務員法上の天下りに対する規定は有名無実化しており、官公庁からの天下りが政・官・財の癒着の根本原因の一つとなっている。
2)天下り先団体の重要ポストの採用決定が、個人の能力ではなく出身機関の権力に基づいて行なわれるという不公正さがある。

予想されるメリット:
1)許認可規制の緩和などともに、官公庁の関連団体、民間企業に対する過剰な介入を排し、健全な経済の活性化を促す。
2)より公正な採用が行なわれる。

5.法案名:投票促進法


内容:
1)投票日を2日以上とし、そのうち1日を平日にする。また、平日の出勤前や帰宅時に投票できるようにする。
2)不在者投票の方法を簡素化する。

現状における問題点:
1)投票日が1日しかないために、当日都合の悪い人は投票できない。
2)不在者投票の手続きが面倒なため、この制度が活用されにくい。

予想されるメリット:
投票の機会が増えることによって投票率が上がり、民意をより反映した国会が作られる。

6.法案名:反対投票法

内容:
現行の一票に加え、有権者がマイナスの一票(ネガティブ・ボート)を行使することができるものとする。

現状における問題点:
利権疑惑などにより国民一般の強い反発を買っている候補者が、利権を利用して特定利益団体の支持により当選を繰り返すことが可能になっている。

予想されるメリット:
利権を利用して、特定利益団体の支持により当選を繰り返している候補者に対して、大多数の有権者が負の一票を投ずる機会を提供する。

7.法案名:国籍法
(選挙権法の関連法案)

内容:
1)夫婦どちらかが日本国籍を有する場合、その子供には日本国籍を与える。
2)夫婦が共に外国籍の場合も、子供が日本で生まれ、または日本で義務教育を修了した場合には日本国籍を与える。
3)日本に移民してきた外国人に、2年間、日本の言葉、文化、法律、社会常識などの教育を無料で提供し、修了したものには永住権(米でのグリーンカードに相当)を与える。

現状における問題点:
母のみが日本国籍である夫婦の子供は、日本で誕生しても日本国籍を取得できない。

予想されるメリット:
1)外国人に対する排他性を取り除くことができる。
2)導入教育の実施により、他国が経験したような移民流入により生ずる社会問題を防ぐことができる。


8.法案名:プライバシー保護法 ( コモンデータベース法の関連法案 )

内容:
コモンデータベース法の導入に会わせて、国家コモンデータベースの管理を行なう第四権として、人権院を新設する。立法、司法、行政三権を上回る第四権として位置づけ、国民投票により信頼の託せる11人の委員を選定する。

現状における問題点:
個人に関する諸情報が政府等に悪意に利用されたり、恣意的に使われることを未然に防ぐ決め手がない。特にコモンデータベース法を導入する場合にはデータ管理が重大な課題となる。

予想されるメリット:
第四権としての人権院の新設により、個人データの利用に対する厳しいチェック機能が働くようになる。これにより国民が安心して、便利なコモンデータベース法の活用を支持・促進し、その利便性を享受することができる。

9.法案名:法律寿命10年法

内容:
1)10年で憲法などの基本法を除く全ての法を失効させる。
2)その上で、引き続き必要なものについては国会で審議した後に再交付する。

現状における問題点:
1)戦時総動員態勢や明治時代の法律までもが残っており、法律が年々増えてしまう。
2)古い法律に拘束され、新しい法律が育たない。
3)陳腐化して不要な法律が多く、国民の法遵守の精神が疎外されている。

予想されるメリット:
1)法律の寿命は永遠ではないという概念を持つことで、必要に応じて法律を変えることに対する拒否反応を緩和できる。
2)陳腐化した法律がなくなることで、真に守るべき法律だけが残る。

10.法案名:道州議会法 ( 道州設置法関連法案 )

内容:
1)道州議会を段階的に立ち上げる。
2)まずは現職の知事、政令指定都市の市長、有識者が参加する。この時点では議会に法律的な権限はないが、仮にあったとすればどのような法律を立案するかシュミレーションしていく。
3)次に各県で広域予算を組み、電力、森林資源、産業廃棄物といった道州単位で扱うべき問題について協調して取り組む。
4)そして道州とコミュニティを設立し国から徴税権も委譲した上で、実質的な道州議会の立法活動を開始する。道州議会では産業政策を中心に討議し、道州の産業基盤充実について責任と権限を持つ。

現状における問題点:
1)多くの問題が、県を超えた広域レベルでの検討を必要としているのに対し、そのニーズに対応した形で政策立案を実施する主体がない。
2)真に自立した自治を行なえる行政単位である道州に立法機関がないため、地方が特色ある独自の政策を実施できない。

予想されるメリット:
最初はシュミレーションで道州レベルの発想をしていくことで、次第に道州議会としての方向性が築かれていき、広域行政での共同作業を経て、本格的な道州の実現が可能となる。

11.法案名:市町村合併分割法

内容:
現行の3300ある市町村を人口5万人から20万人くらいの自然なコミュニティに合併又は分割する。合併・分割の際には市町村がイニシアティブを取れるようにする。

現状における問題点:
1)様々な規模の市町村が意味なく乱立していて、国家運営の基本的枠組が整っていない。
2)規模が大きすぎたり、小さすぎたりして生活コミュニティとしての十分な住民サービス、生活基盤の整備が進まない。

予想されるメリット:
1)生活基盤を整える上で適切な人口単位でコミュニティを設置することにより、身近な生活環境に対する人々の関心を高め、参加を促すことができる。
2)合併分割を自ら検討・推進することで、地方自治の意識が芽生える。

12.法案名:地方予算ひもつき制限法

内容:
ある予算が地方のニーズに合わない場合は、生活者にとってより重要な(関連)分野にその予算を使えるようにする。例えば、都会においては必要のない漁港建設や砂防工事のための予算を、変わりにマリーナや公園の建設に当てるなどのことを可能にする。

現状における問題点:
1)省庁が決めた予算項目により、地方が求めていないものまでもが建設されたり、実行されたりする。
2)地方独自の計画が実施できない。

予想されるメリット:
1)省庁別の予算項目に縛られずに、地方が自らのニーズにあった予算の使い方ができるようになる。こうして予算の使い方について地方の自由度が高まり、独自性が強まる。
2)中央集権の押し付けがなくなり地方のニーズが満たされる。

13.法案名:地方自治体対外投資法


内容:
大都市圏などが、同一地域内だけでは解決できない諸問題を、日本国内の他地域や他国との相互互恵関係に基づき解決する。例えば、大都市圏のシルバータウンを、海外を含めたた地域に建設投資が行なえるようにする。

現状における問題点:
大都市圏などが、シルバータウンの建設や産業廃棄物の処理といった問題を解決しようとしても、近隣諸県の間だけでは、相互の利害が対立して困難である。

予想されるメリット:
1)過疎地域の産業振興が、他の地方自治体の対外投資という形で進む。また、その財源を他の地方自治体に求めることができるので、国の予算に対する依存度が弱まる。
2)大都市圏等での産業廃棄、ゴミ問題、シルバータウン建設などの課題に前向きに取り組むことができる。

14.法案名:複数省庁の関与制限法

内容:
複数省庁が担当ずプロジェクトにおいて、省庁間の調整がつかず、6ヶ月以上経過した時には、そのプロジェクトの権限は地方自治体に委譲される。地方でも決められないときには、コミュニティに委譲されるものとする。コミュニティでも決められない場合には実施しないこととする。

現状における問題点:
複数省庁が介在すると、許認可等の縄張り争いがプロジェクト遅延の原因となることが多く、いたずらに工期が引き伸ばされることが多い。

予想されるメリット:
プロジェクトが遅延した場合の権限の所在を明らかにすることにより、意思決定の無用な遅れを回避する。

15.法案名:地方自治体起債市場形成法


内容:
1)全国の都道府県、および政令都市が、起債のための自由市場を形成することを許可する。
2)起債の条件(金利)は、民間の格付け機関(レーティング・エージェンシー)の審査に基づくこととし、自由市場の決定に委ねる。
3)起債の目的についての制約を設けない。
4)将来的には、道州別に債権、株式市場を形成する。

現状における問題点:
1)地方自治体は自由に起債できないため、国の予算に対する依存度が極めて高く、そのために自立できない。
2)国からの融資は高利で目的が限定されており、魅力に乏しい。

予想されるメリット:
1)地方自治体の資金調達手段が拡大し、財政的に自立しやすくなる。
2)よい条件(格付)を得るために、地方自治体が健全な財政運営を図るようになる。

16.法案名:法律再審要求法


内容:
地方自治体が、自らにとって著しく不利な法律について、国会の最新を要求する決議ができるものとする。

現状における問題点:
1)国が、全国一律の法律を定めており、地方自治体によっては著しい無駄・矛盾になっているものが存在する。
2)地方自治体は不服の申し立てについては裁判所に訴えるしかないが、この場合現行の法律に照らし合わせて評価されるので、その法律の変更を求める際には役に立たない。

予想されるメリット:
地方自治体に再審請求権を与えることにより、地方の事情を無視した国の立法行為に対して再考を促す方途が提供される。

17.法案名:ICカード法 ( コモンデータベース法関連法案 )


内容:
1)ICカードを国民に与え、コモンデータベースに登録されている各人の情報を持つようにする。
2)パスポート、健康保険証、厚生年金手帳、戸籍抄本等や、オプションとして運転免許証やカルテ等もICカードに記録して、情報を一本化し、携帯の便宜性を高める。
3)パスポートでも紙にスタンプを押すのではなく、ICカードで出入国の情報を管理することで、滞在期間との照合などの確認が容易にできるようになる。近隣諸国ともこのICカードのシステムを共有することで便宜性を更に高める。
4)海外から入国した外国人にも、滞在中はその人の番号とICカードを渡して、出入国管理を行なう。
5)情報には、必要に応じて鍵を掛けて、本人以外は見れないようにしてプライバシーを保護する。

現状における問題点:
1)個人に関する情報が様々な書類に分散しているため、管理することも携帯することも不便である。
2)すべての国民、滞在者の出入国の状態が自動的に把握できない。
3)カルテを病院側が保有しているため、他の病院では使えない。

予想されるメリット:
1)必要な書類が一本化され、番号が一本化されることで、持ち運びや、番号の暗記が楽になる。
2)出入国管理の精度が高まる。
3)カルテも患者(国民)側が保有することで、他の病院へ行っても継続して診察を受けることができる。健康保険証とカルテが一体になることで利便性も高まる。

18.法案名:公務員多能工化法

内容:
公務員が複数の仕事をこなすことによって税金を上げずにサービスレベルの向上を図る。

現状における問題点:
一時的な業務のために、公務員全体を増員したり、各地方から呼び寄せるなど無駄な経費がかかっている。

予想されるメリット:
1)県庁と、市役所、町役場の職能上の境界をなくすことにより行政は道州と町村の二つのレベルで済む。
2)公務員の数を減少させ、新たに生まれた余裕でサービスレベルを向上させることができる。
3)関係省庁、公団などを一つにすることで縦割り行政による弊害を解消する。

19.法案名:技術利用促進法

内容:
1)公的サービスに先端技術を積極的に取り入れることを各官公庁の義務付ける。
例)各省庁のコンピュータと各家庭のコンピュータをネットワーク化する。
2)国民が監視機能を持ち、先端技術が用いられていないと判断された場合には、提訴することができるものとする。

現状における問題点:
1)納税、申請などのため、国民は何度も省庁に足を運ばねばならない。
2)省庁のフォーマットに合わせて、いったん電算処理した伝票を書き直すことが多い。

予想されるメリット:
1)米国の(IRS)のように納税手続きが在宅で可能となる。
2)建築申請なども現地の役所に何度も足を運ぶ必要がなくなる。
3)電算処理伝票をそのまま役所に持ち込むことができる。
4)議会での投票や、選挙投票などもコンピュータを介して行なうことができる。

20.法案名:窓口一元化法

内容:
行政が受益者の側に立って窓口を一つ、または担当者を一人にし、煩瑣きわまりない役所の手続きを簡素化する。

現状における問題点:
1)一つの手続きを完了させるために、数多くの窓口を回らなければならない。
2)窓口が一つでないため、遠隔地から申請書類を取り寄せなければならないなど、無駄な手間と時間を要する。

予想されるメリット:
1)行政上の手続きに関わる国民の負担が大幅に軽減される。
2)申請書類が半減する。





Copyright 2002 NPO政策学校一新塾 All rights reserved.
E-mail:iss@isshinjuku.com TEL 03(5765)2223 FAX 03(5476)2722