
■ 生活者主権のための83「法案」デッサン(41〜60法案)
41.法案名:資材調達公社設立法
内容:
1)日本にとって真にクリティカルな資材・資源を調達することは国レベルで実施するものとする。
2)木材、食料の一部、石油、非鉄金属の一部などの調達を道州の共同経営体である調達公社が実施する。
3)調達先は外交政策の柱となる総合安全保障法の枠内で、総合安全が相互に確認されている国を中心に行う。
現状における問題点:
仮に道州制が実施され、各道州が自由に経済活動を実施した時に、重要な鉱物資源や食料、石油などがなくなる状況が考えられなくもない。
予想されるメリット:
1)調達源が多様化し、世界で最も安くてよいものを安定的に調達できるようになる。
2)国内市場を自由化することにより、諸地域との相互依存関係を深め、その結果として安全保障を高めることができる。
42.法案名:円高差益還元法
内容:
輸入品の市場価格が為替変動に伴い、どう変化しているのかを定期的に検査をし、情報を公開し、円高時の差益が生活者に還元される仕組みを構築する。
現状における問題点:
円高差益が、輸入品の国内価格に反映されず、市場価格形成の過程が不透明な場合が多い。
予想されるメリット:
1)透明な価格形成が促進される。
2)円高が確実に輸入価格に反映されるようになる。
3)不透明な取り引きによる不当なマージンを排除する。
43.法案名:過剰保護禁止法
内容:
1)国が国内の特定産業を保護して、輸入を規制することを禁じる。
2)国の役割として、世界で最も優れたものを最も安く安定的に生活者が入手できるようにする。
3)ただし、国家の存立のため戦略的に不可欠と思われる産業については、一定の期間内(論理的裏付けのもとに明確に設定する)において保護を許可する。
現状における問題点:
1)国が、ある産業は保護し、ある産業は保護しないため、そこに職業選択による不平等が存在する。
2)輸入規制や非関税障壁により、世界の優れた製品が安く入ることが妨げられている。
3)規制により保護されている財やサービスのコストが上がり、生活者が「見えない税金」を負担させられている。
4)日本の市場の閉鎖性が外交上の問題になっており、世界的な自由貿易体制維持の障害になっている。
5)保護されている業種は経営努力をしてないため、競争力格差がますます開き、さらに保護の対象となるという悪循環に陥っている。
予想されるメリット:
1)「見えない税金」が減り、財とサービスのコストが下がり、生活の質が上がる。
2)日本が世界に開かれた公平な市場となり、日本が自由貿易体制の維持に貢献できる。
44.法案名:参入自由化法
内容:
1)市場の参入条件は、許認可制とせず、安全条件などの客観的に判断できる基準とする。
2)ただし、「真似」の自由化であってはならず、特に金融業界などでは、知的所有権を保障した上で自由化を行う。
現状における問題点:
金融・航空など、日本の市場参入の自由度が低く、保護された既存企業の商品コストや競争力が改善されることなく、国民生活者にとってのコスト負担増となっている。
ハ
予想されるメリット:
参入の自由化を進めることにより、経営能力の高い外国企業や新規起業家が参入し、業界全体としての健全な競争が起こり、経営改善が図られ、国民生活者としてのコスト負担が軽減される。
45.法案名:業界協定防止法
内容:
1)工業界・業界団体を通じて日本で幅広く行われている業界協定(談合)を禁止する。
2)価格だけでなく、生産能力、マーケットシェア、規格、下請の選定、業者指定制度など幅広い分野に関する業界協定を禁止する。
現状における問題点:
1)業界協定の多くは、業界内の競争を制限するだけでなく、新規参入業者に対する参入障壁として機能している。
2)業界は政・官・財の利権のトライアングルの財の部分に当たり、様々な癒着関係の原因になっている。
予想されるメリット:
1)業界協定による競争制限行為が禁止されることで、市場原理が健全に機能し、生活者がその恩恵を受ける。
2)業界協定を利用した腐敗がなくなる。
46.法案名:投資・雇用促進法
内容:
1)投資を行い、雇用を自社・他社で創出している会社に対して、これを奨励するために法人税の軽減を行う。
2)この法人税の軽減がなければ収益的に事業を営むことができない企業を増やすことは避ける。あくまでも企業の通常の意思決定の結果として投資が行われ、雇用が創出された場合に、これに特典を与える形にする。(つまり、特典は与えるが、それを与え過ぎて、結果的にそれなしには運営できない企業を誘致するような各地の地方自治体の失敗は繰り返さない)
現状における問題点:
いかに雇用を創出し、失業率を下げるかという先進国共通の重要な課題に対して対策を講じてない。
予想されるメリット:
雇用を生むということに対する価値が高まり、結果的に投資や雇用拡大が進む。
47.法案名:土地自由化法
内容:
1)宅地、緑地といった土地の使途指定(ゾーニング)を現状より厳格に運用する。時間軸の制約を設け、その期間内に使途指定に合致しない場合は、立ち退き等も要求する。
2)ゾーニングを決めた上で、その土地の指定使途の範囲内では、使い方を自由にする。
3)こうしてゾーニングの中での土地の有効利用度が上り、流動性も高まる。
現状における問題点:
1)現在でもゾーニングは存在する。しかし、昔からある工場は宅地にでも残れる、といった既得権による例外を認めてしまっている。
2)結果的に、ゾーニングの中に様々な使途の土地利用が行われているため、使い方に制限が多くなり、有効利用度が低い。
予想されるメリット:
ゾーニングの中での使い方を自由にすることで、土地の有効利用度が上り、流動性も高まる。
48.法案名:国土保全法
内容:
1)乱開発による自然破壊を防ぐ。
2)残すべき自然(海岸線、河川、山など)を指定し、これらの地域における工事を大幅に制限する。
3)ある工事を行う際には、その工事が他の地域の残すべき自然に悪影響を与えないことを確認する。
4)従来これらの工事に向けられていた予算を削減し、税金の無駄遣いを減らす。
現状における問題点:
1)日本中で行われているダム建設、砂防工事、河川工事等により深刻な自然破壊が行われている。
2)ダムを建設したために、海岸で砂がなくなり、ここでテトラポットを入れる、というような連鎖的な自然破壊が各地で展開されている。
3)予算を消化するために自然を破壊する工事が行われることがある。
予想されるメリット:
1)残すべき自然が保護される。
2)工事の数が減り、税金の無駄遣いが減る。
49.法案名:土地集約的利用促進法
内容:
土地の有効利用を可能にする公共のための地上げを促進するため、近隣世帯の2/3が同意すれば、地上げを公的に認可する。
現状における問題点:
1)地上げのイメージが悪く、社会的認知を受けていない。
2)地上げが進まないため、ペンシルビルのように非効率な土地利用がなされている。
予想されるメリット:
1)効率の良い土地利用ができる。
2)工事コストが低下し、インフラ整備が促進される。
3)住宅、オフィス、ホテル、ショッピングモールなどを同居させることができ、職住接近が可能となる。
50.法案名:ごね得防止(等価交換)法 (公共工事時限法、土地集約的利用促進法の関連法案)
内容:
1)地上げによる立ち退きの際、土地の売却は理論的にリーズナブルな価格設定によって行われるか、乃至は等価と判断された他の土地と交換されるようにする。
2)公的認可のおりた地上げに対して、立ち退きを拒否した者には、その間の機会費用損失分(金利分)を負担させる。
現状における問題点:
1)地上げに対して、最後まで抵抗したものが最も得をしている。
2)立ち退きを拒否する少数のために大多数の住民・ユーザーの便益が損なわれることが多い。
予想されるメリット:
1)効率の良い土地利用ができる。
2)工事コストが低下し、インフラ整備が促進される。
3)住宅、オフィス、ホテル、ショッピングモールなどを同居させることができ、職住接近が可能となる。
51.法案名:公的集合住宅法
内容:
1)大都市圏において公的集合住宅を大量に整備し、住宅供給を増やし、そのコストを下げる。
2)これらの集合住宅は、借家(長期リース)にすることで安くて大きな住宅を実現するが、従来の借家に与えられてきた過剰な権利は認めない。
3)一級河川沿い(例えば江戸川沿いの土手)でも、所轄官庁の建設省が洪水などのリスクを反映して、安くて長期的なリースを設定して建設を許可する。リース権は転売可能にして、流動性を高める。
現状における問題点:
1)大都市圏において持ち家は高く、しかも小さい。
2)一方、借家は、借りている人の権利が強すぎて建設が進まない。
予想されるメリット:
1)人々が持ち家に執着するために住宅は小さく、高くなってしまっているが、借家にすればそれらの問題は緩和される。
2)借家における新たな権利義務関係を規定することで、借家の魅力を高め、その供給を増やし、価格も下げる。
52.法案名:駐車・駐輪法
内容:
公共施設やアパートなどに必要な駐車場および駐輪場設置数を定め、これを遵守させる。例えば、電車の駅では、一日の通行人の一定割合、アパートでは戸数に対して一定割合の駐車・駐輪能力を義務付ける。
現状における問題点:
ほぼ全ての家庭が自転車を保有しているにもかかわらず、駐車場供給に対する政策的取り組みが十分でないため、違法駐車が横行している。
予想されるメリット:
1)駐車場不足、交通渋滞が解消される。
2)美観の促進を図ることができる。
53.法案名:新建築基準法
内容:
1)建築基準は全てを全国一律で決めるのではなく、道州・コミュニティに自由裁量の部分を与える。
2)地震や台風のように地域によってその頻度と度合いが大幅に異なるものについては、その安全規準の裁量は道州に与える。
3)建物の色など美観については、そのコミュニティに裁量を与える。
4)安全性などに関する基準の設定においては、技術進歩を必ず反映する。
現状における問題点:
1)天候も地質も全く異なる地域において、全国一律の建築基準が適用されており、各地域のニーズも合っていない。
2)地域の美観を損ね、周りとの調和を欠く建物が各地で建設されている。
3)基準が従来の技術を前提に作られている場合があり、それにより建設の自由度が制約されている。
予想されるメリット:
1)各地のニーズに適した基準が設定されることにより、安全性が高まり、不必要な制約から開放される。
2)建設においてもコミュニティとしての一体感が高まり、統一感のある美観が守られる。
54.法案名:中深度地下の公的利用促進法
内容:
1)深度10メートル以下の地下を公用地とし、議会の承認により、民間への補償を伴わずに、公的利用を可能とする。ただし、特定地域は除く。
2)上記の特定地域とは、新宿など大商業地域ですでに10メートル以下にまで民間の仕様が進んでいる地域などを指す。ただし、これらは民間が公用地を借りていると解釈する。
3)地下鉄などの建設により地上への騒音の問題が生じる地域は、防音材などを使用することで解決をはかる。
現状における問題点:
規制のため、地下鉄やビルの建設コストが上昇しており、公的インフラの整備を妨げている。
予想されるメリット:
建設コストが低下し、公的インフラの整備が促進される。
55.法案名:国際空港促進法
内容:
1)各道州に国際線の離発着が可能な空港を建設し、日本の国際線を現在のハブ型から、欧州のようなネットワーク型に転換する。
2)入国審査官や税関審査官は、他の職業(例えば学校教師、消防士)との兼業を可能にする。(「公務員多能工化法」との組み合わせ)。
現状における問題点:
1)ほとんど全ての国際線は、成田もしくは関西新空港を基点としており、多くの国内線と連絡しておらず、非効率である。(特に6〜8時間のフライト)。
2)将来的に極東ロシアや中国に香港、上海クラスの大都市が相当数形成されると予想され、現在のハブ型の国際線では対応しきれない。
予想されるメリット:
1)地方都市から直接海外に向かうことができる。
2)多能工化法の導入により、低コストで空港運営ができる。
56.法案名:軍事施設民需転用法
内容:
冷戦の終結を契機に軍事施設の民間併用を実施し、国際空港などに転用する。
例)厚木、入間、横田、木更津、岐阜など
現状における問題点:
1)土地の収用の問題等により新しい空港用地の確保が難しい。
2)空港の新規建設工事に莫大な原資を要する。
3)対外便が成田に集中していることが東京一極集中を促している。
予想されるメリット:
1)空港用地確保の問題が大幅に軽減される。
2)建設工事費用が節減できる。
3)利権により着工が決定される工事を少なくできる。
4)地方に国際空港を増設することにより、東京一極集中を緩和することができる。
57.法案名:ドラフト法(徴公法)
内容:
1)個人が社会の一員であるという認識を高めるために、全ての国民に一定機関の非営利(ドラフト)活動を義務付ける。
2)ドラフト活動は18才から28才まで、または参政権取得後10年以内に最低6ヶ月間行うものとする。
3)活動領域は、自衛隊を含む公務員、議員秘書、平和部隊、ボランティアなど、様々な非営利活動の中から選択できるものとする。
4)ドラフト活動期間中の費用は国が負担する。
5)ドラフト活動を理由に雇用主は参加者を解雇してはならないものとする。
6)ドラフト活動が行われる行政機関では、公務員の数をそれを使って減らし、サービスレベルを向上する。
現状における問題点:
1)個人が社会の一員であるという意識が乏しいために、コミュニティの形成が積極的に行われない。
2)非営利活動に参加する機会が一般に少なく、その価値の認識が低い。
3)公的サービスに参加したことがなく、行政改革についてもアイディアが出にくい。
予想されるメリット:
1)社会的価値観が高まる。
2)営利活動に偏った人生が是正される。
3)行政改革への機運が高まる。
58.法案名:国際貢献法
内容:
1)海外勤務中の日本人の民間人を準公務員として扱い、必要な国際貢献研修を実施したり、現地滞在中のコミュニティ活動などを奨励する。
2)通常の賃金等については出身企業が負担する。
現状における問題点:
1)PKO・PKFといった軍備やカネによる国家の「国際貢献」が注目されている一方、民間人による貢献・ソフト面での貢献が軽視されている。
2)海外に多くの日本人が勤務しているにもかかわらず、現地でのコミュニティ活動等に参加せず、交流が少ない。結果的に海外における日本・日本人への理解に貢献していない。
予想されるメリット:
1)海外勤務の日本人一人ひとりが、日本人としての意識と責任感を高め、その国際交流活動の結果として相互理解が進む。
2)日本人が持っているノウハウを現地の人に伝えることにより、草の根の経済・技術援助になる。
59.法案名:年金辞退制度法
内容:
1)金銭的余裕のある年金対象年齢者には、一定機関、年金受け取りを辞退できる制度を設ける。
2)辞退者は辞退した年金の用途として、国家救済(国際償還)、国債貢献、もしくは道州振興いずれかの基金に寄付することを選択、指定できる。
3)辞退期間(1年、5年、一生)に応じて、石碑に氏名を残すなどの報償を与える。
現状における問題点:
1)金銭的裕福度に関わらず、65歳以上の者には年金が支給され、国家予算の浪費となっている。
2)10年〜20年後には年金支出がさらに増大し、これを補う重税のため、若者が働く意欲を失ってしまう。
予想されるメリット:
1)より効率的に国家財政を運営できる。
2)辞退者も、自分の名が世に残ることで、人生の達成感を得ることができる。
60.法案名:義務教育法(選挙権法の関連法案)
内容:
1)義務教育を高校の3年生までとする。
2)教育の中身として、知識を詰め込む「知育」「教育」とを半々にする。
現状における問題点:
知識偏重の「知育」が横行し、人間としての成長を促す教育や社会奉仕の機会を与えていない。結果として、豊かでバランスの取れた人格形成が行われない。
予想されるメリット:
1)義務教育の中で、健全な社会人としての必要最低限のことを教えることができる。
2)個人の価値観、社会や家族に対する責任感を持たせ、社会に貢献していく方法を修得させることができる。
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