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      一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
     【第167号】 発行日:2004年12月10日

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▼目次
■「ショートフイルム『子供が危ない』ができるまで」
                    吉田博則氏(一新塾第9期)
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皆さん、こんにちは。事務局の森嶋です。
12月4日、5日に神奈川県の三浦海岸にて14期生、15期生の合同研修合宿を行って
きました。「発展途上でも自分をさらけ出せば仲間と一緒に進化、成長できる!」
をテーマに75名が結集して夜を徹してディスカッションを展開。一新塾オリジ
ナルの問題解決フレームワークを使って、一人一人のミッション発見に仲間と一緒
に取り組みました。日ごろは調和ばかりに気遣いをして本心を出さなくなってい
る自分に気づき、もっと本心を語り、自分が本当にやりたいことをやっていこう
と志を立てるきっかけとなった2日間であったと思います。

さて、一新塾第9期生でCM演出家の吉田博則さんが社会的なメッセージを映像に
まとめたショートフイルムを作成されました。今回は、吉田さんにショートフィルム
製作秘話を語っていただきました。一新塾でも上映会を検討中です!

一新塾生の活動レポート ◇■■■◇■■■◇■■■◇■■■◇■■■◇
   
ショートフイルム「子供が危ない」ができるまで
◇■■■◇■■■◇■■■◇吉田博則(一新塾9期生・戦略サポーター)

■わたしに何ができるかな?
 私はテレビコマーシャルの演出家です。毎回やりがいのあるプロジェクトで、
みんなで力を合わせ、ゴールに向かっていろんな問題を解決しながら映像を創り
あげていきます。企業の個性が際立つCMを創って消費者に上手く伝わったら、
評価を得て次の仕事につながります。とても達成感のある仕事でその都度新鮮で
すが、安定した広告という法則の上での社会的役割でしかありません。私は今の
仕事以外で、いったい何ができるのだろうか?個人レベルでどれだけの事ができる
のか、どんな人々と関わることができるのか、全くの未知数でした。

■仕事以外でわたしに何ができるかな?
 2001年秋、9期生で一新塾に入塾。ここにはありとあらゆる仕事に携わる
人々が塾生として集ってきます。ちょっとした雑談もわたしにとってはありがたい
刺激でした。また週単位で、いろんな背景を持ちいろんな活動をされている講師の
方々の考え方に触れ、時には二新塾(注;講義が終わったあとの飲み会をそう呼ぶ)
で深く突っ込んだ議論をするという機会に恵まれました。9期卒塾の後、一新塾
サポーターとして地域生活者が地域のことを決める政治の在り方について学び、
提言活動をしてきました。

■そこで、ふと思ったのですが・・・
 そうだ、自分の得意分野の「映像」で語ればいいじゃないか。どんなに長い論文
よりも短い映像が多くのことを伝えることがあります。そんな或る日、塾生から教
えてもらったセミナーでカンボジアの地雷の現状を知ってしまいました。野原を走
り回りたいのに子供たちは、母親から「道をそれてはいけないよ。真ん中を歩くん
だよ。」と教えられます。これは真っ先になんとかしなければと。

      ----------------映像プラン-------------
母親の教えを守り一本道の真ん中を歩く幼い兄弟。その目の前を小動物がよぎって
いく。兄はついふらふらと小動物を追っかけて野原へ走り去る。弟は道の真ん中で一
歩も動かない。しばらくして原野に鳴り響く地雷の爆発音。その音を聞いた全ての母
親たちが一斉に、振り向き自分の子の名前を叫ぶ・・・・
     -----------------------------------------

今年の始めに、このプランをタイの仕事仲間に話したのがきっかけでした。彼は
カンボジアで一番困っている地域に自費で小学校を創るプロジェクトを立ち上げ、
参加した10人以上の日本の若者たちや現地の人々と共に一緒に6ヶ月に渡る奉仕
労働、そしてりっぱな学校を創りあげました。彼も普段はテレビ番組、テレビCM
のプロデューサーであり、自分にできることは何かを考え実践してきた人でした。
この友人とカンボジアスタッフの全面的な協力を得て撮影することができました。
日本の編集スタジオの協力を得て映像の編集、そして現場で録音した地雷の音など
実況音をダビング作業です。完成した4分間のショートフイルムはロサンゼルスの
ショートフイルムフェスティバルに選考されアークライトシネマという素晴らしい
映像環境の映画館で上映されました。それも2004年の9月11日、何と911
の日にアメリカで公開できるとは。

■そしてこれから何ができるかな。
 子供が危ないのは何も外国だけではない、日本の子供もまた違った意味で危ない
のではないか。いろんなモノがそろいすぎて自分を見失う危うさ。

      ----------------映像プラン-------------
 テレビに子守を任せている母親。子供たちは会話もなくアニメーションのヒーロー
に見入っている。食べ残したコンビニの食事の残骸を前に携帯メールする母親。ヒー
ローに釘付けの子供たちの目。母親は「知らない人がきたら、開けたらダメよ」と言
い残し鍵をロックして出かける。入れ替わりに真面目そうなセールスマン訪ねてくる
が母親の言いつけを守って子供たち玄関のドアを開けない。そこでセールスマンが取
り出したものは・・・
      -----------------------------------------

 映像づくりの主旨に賛同してくれた人々が、出演者としてまたスタッフとして奉仕
参加してくれます。
 ショートフイルム創りで私が感じたことをまとめると、
1.やりたいことをまとめておく。
2.やりたいことを誰かに伝える。
3.やりたいことを本気で共有してくれるパートナーをつかむ。


1.2.の構想の段階でストップすることがほとんどですから、何といっても実現化
にむかって最も重要なのは 3.ですよね。これされつかめばこの後は前進あるのみ
です。
「子供が危ない」アメリカ篇、韓国篇、中国篇とシリーズ化したいと思っています。

吉田博則 CM演出家
1955.7.6 誕生。福岡県福岡市出身.九州芸術工科大学画像設計学科卒業. 1978.
CMなど映像制作に携わる.1988.株式会社吉田博則事務所設立. 2004.ショート
フイルム「子供が危ないシリーズ」LAショートフェスタ参加. 
メール:zzzhzzzh@hotmail.com



   



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