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        一新塾ニュース〜市民力で社会一新!
         【第269号】 発行日:2006年12月26日
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目次
■ 塾生チーム活動レポート

    『「旅人天国」日本
      〜外国からの個人旅行者が集まる旅人の町を実現しよう。』
                        一新塾第17期 木舟周作氏
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。事務局の森嶋です。

さる12月13日、参議院本会議において、議員立法により、地域の創意工夫・
主体的な取組みを尊重し、魅力ある観光地づくりと国際・国内観光の振興を
推進する「観光立国推進基本法」が成立しました。観光を21世紀における
日本の重要な政策の柱として明確に位置付けています。

一方、個人旅行者に焦点をあて、草の根の活動で、旅人から愛される日本を
つくろうとチャレンジされている方がいます。一新塾第17期生の木舟周作さん
です。現場に飛び込み一歩ずつ着実に活動を進めている木舟さんよりメッセージ
をいただきました。

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■■■     塾生活動レポート
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■■□     「旅人天国」日本
■■     〜外国からの個人旅行者が集まる旅人の町を実現しよう〜            
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□ ───────────────────   一新塾第17期生 木舟周作

●旅人天国とは

 観光は21世紀の主役産業になると言われています。観光は平和産業であり、
また地域の個性を活かす産業でもあります。人は旅を通じ、異国の文化や宗教や
歴史を体験し、振り返って自分の故郷について再認識することができます。

 しかし、美しい自然と独特の歴史文化がありながら、日本は観光後進国です。
日本を訪れる外国人の数は、日本から海外へ出かける人数に比べ、あるいは諸外国
の旅行者受入数に比べ、大幅に少ない状態にあります。

 現在政府も観光立国を掲げ、国際会議の誘致や、留学生の受け入れ、あるいは
有給休暇の取得促進など、様々な分野で観光政策を打ち出しています。しかし、
ビザの緩和政策など一定の効果を挙げているとはいえ、W杯や万博などイベント
頼みの印象は否めません。ハコモノばかりに熱心で、豊かな観光資源を持ち腐れ
ているのです。

 世界的に見ると、形の決まった団体旅行よりも、個人の自由旅行が主流となる
傾向にあります。宿泊費を安く抑え、長距離バスやローカル列車を駆使して自分
の足で旅しようというやり方は、西洋の若者たちのみならず、近年はアジアの
若者や、旅慣れた中高年層の間でも、ますます増加しています。この流れにこそ
注目すべきです。

 旅は優れた外交手段です。異国を訪れた人々は、一人一人が少なからず何らか
の国際交流を経験して、母国に帰っていきます。多くの個人旅行者が来るという
ことは、それだけ大勢の人々が個別に日本を体験するということであり、日本と
いう国をよく知ってもらい、なおかつ好きになってもらうまたとない機会では
ないでしょうか。

●旅人の町、山谷

 山谷という町を聞いたことがあるでしょうか。東京の台東区から荒川区に
かけての一帯で、現在の住居表示では地図からその地名は消えていますが、
100軒以上の簡易宿が集まるいわゆるドヤ街です。

 生活保護者や路上生活者が多く、宗教団体や左翼団体が混在し、一般的には
あまり良いイメージを持たれない山谷ですが、近年廉価な宿を求めて外国人
旅行者いわゆるバックパッカーたちが集まり始めています。3畳一間の和室、
一泊2000円台から。最寄駅は南千住ですが、成田空港にも比較的近く、
上野や浅草といった定番観光地だけでなく、地下鉄日比谷線を使えば秋葉原、
築地、六本木といった外国人人気の高い地区へも直通で行けるという便の良さ
があります。

 私たちは、この山谷という町に注目し、どうしたら多くの外国人旅行者に
日本に来てもらえるかを目標とし、1年間のチーム活動を行いました。
実際に山谷の宿に泊まりに行き、滞在している外国人旅行者の意見を聞いたり、
宿の経営者の方とお話をさせていただいたりしました。

 山谷には旅人の町として、非常に大きな可能性があります。
最近ではテレビや雑誌に取り上げられることも多いようです。しかしまた、
商店街は空き店舗ばかりで活気がなく、旅行者のお金が町に回流していない
現実があります。浅草や蔵前の周辺に新しい安宿ができ、客の奪い合いが
始まっている状況もあります。

 まもなくお正月ですが、年末年始にかけて、山谷の旅行者向けの安宿はほぼ
予約で埋まっています。私は卒塾後も毎週のように山谷に足を運んでいますが、
今後どのように山谷と関わっていくか、「旅人天国」日本を目指していくかは
正直申しまして模索中です。

 みなさまの御意見、御支援等いただければ幸いです。 

●追記

 私がこの活動を始めようと考えた原体験の一つとして、2001年から
2003年にかけての世界一周の自転車旅行があります。自然の偉大さ、世界
の多様性、歴史の残酷さなど、あまりに多くのことを、私は旅から学びました。

  そのときの様子を描いた旅行記を、一新塾にも講演に来ていただいた
呉連鎬(オ・ヨンホ)氏が創始したインターネット新聞オーマイニュース
(日本版編集長は鳥越俊太郎氏)に連載していますので、お時間のある方は
ぜひ御覧ください。

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  「銀色の轍」自転車世界一周40000kmの旅
   テノチティトラン〜アステカ帝国の湖上の都
  (最新話:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003511
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 また、山谷についての記事も、いずれ執筆することを検討中です。

 重ねてよろしくお願いいたします。



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