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        一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!
         【第332号】 発行日:2008年5月3日
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目次
■ 事務局長メッセージ

    『 政策提言では、なぜ“言い切る”ことが必要なのか? 』 

                 一新塾代表理事・事務局長  森嶋伸夫

■【参加者募集!】 2008年5月25日開講、講座&第22期説明会

   ・東京会場  5月6日(火祝)15:00〜/5月8日(木)19:30ほか
   ・沖縄会場  5月10日(土)10:30〜/5月11日(日)19:30〜

■【参加者募集!】 公開講座

 ・『地域主権型道州制〜日本の新しい「国のかたち」』
     講師:江口克彦氏(PHP研究所社長・道州制ビジョン懇談会 座長)
  日時:2008年5月15日(木)19:30〜21:30

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■■■■■    事務局長メッセージ
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■■     『 政策提言では、なぜ“言い切る”ことが必要なのか? 』 
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  もう10年くらい前になるが、一新塾で塾生が大前研一氏から政策提言指導を
受けていた時、大前さんは言った。

「コンサルタントは馬鹿にされないレポートを書くというのでは飯は食えない。
  政策提言はコンサルタントに似ている。
  自分を追い込んで、そういうところまで言い切っていいのかと。
  言い切るというのは非常に大変なことだ。」

さらに、大前さんはこう続けた。

「マッキンゼーで新人教育のときに『リサーチ会社になるな。リサーチャーになるな』と
  よく言ったんだよ。
  コンサルタントというのは、最後の一言が言えるかどうかがコンサルタントだと。
  色々調べて何が正しいかを気にするのがリサーチだと。この二つは違うぞと。

 『今日の天気は曇りのち晴れ、ところにより雨。雨の確率は32パーセント。』
  と答えるのは、リサーチャー。
 
  コンサルタントは、
  『社長、今日は傘はいりません』あるいは
  『社長、今日は傘を持ってかないとひどい目にあいますよ』
  と言うかのどちらかなんだよ。

 政策提言もこれなんです。
  要するにね、雨の確率なんかより、傘はいるのか、いらないのか!」

実際、この“言い切る”ことはなかなかできない。
これは、曖昧な表現を好む日本人の特徴だと思う。
“言い切る”ためには、覚悟が必要なのだ。

 言い切ることで道が開いた例がある。
今話題になっている「ふるさと納税」。住民税の約1割を上限に、現在住んでいる
自治体から故郷の自治体に納められるようにする制度だ。
ルーツを辿れば、実はこの「ふるさと納税」、2002年に、一新塾の教室でネーミングし、
吉田博則さんをはじめとする一新塾生が“言い切った”ものである。

ふだん収めている税金を自分たちを育んでくれた“ふるさとに納税”することで、
故郷を活性化させることができないものかと考えた。
所得税を納めるようになった個人を育てたのは、個人のふるさとである。
人間形成、技能修得の大切な時期を過ごしたふるさとへの恩返しの意味もある。
当時は、個人の所得税の一定割合を個人が育ったふるさとの都道府県に納税する
という新税制度を発案し、「ふるさと納税」とネーミングした。
中央集権を打破し、「地域主権」を実現するための新しい税財政の実現のトリガー
になると信じた。

 2002年10月より、一新塾生有志で議員会館に通い詰め、与野党の地方分権に
関心のある国会議員47名の一人ひとりの事務所をたずねて説明して回った。
「これは難しい!従来の税の考え方を超えているから」と何度も言われた。
HPをつくり発信した。一新塾編著の「今のニッポンを変えろ!」(プレジデント社)
でも発表した。
その時の合言葉は、「良いと思ったことは、会って会って会って伝えて伝えて伝えよう!」
少々かたちは変わったが、その後、いろいろな人たちがこのコンセプトに共感し、
推進し、具現へと向かわせた。

“言い切る”言葉は国を動かすのだ。

                           森嶋伸夫(代表理事・事務局長)

 



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