| 2010/06/3 【一新塾ニュース】第417号:
 塾生活動レポート
 『銚子市のまちづくりプロデューサーとして生きる!』
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 一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!〜
 【 第417号 】 発行日:2010年6月3日
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  ■ 塾生活動レポート        『 銚子市のまちづくりプロデューサーとして生きる! 』                     一新塾第18期本科  向後功作 ===========================================================  メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。このたび、一新塾第18期生の向後功作さんのメッセージをお届けします。
  向後さんは、一新塾受講期間中に勤務先の銚子電鉄の経営危機に直面。「ぬれ煎餅を買ってください!!電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」
 との呼びかけに2週間で1万件の注文が殺到! 多くの市民を巻き込んでの
 復活劇を最前線に立って奮闘された様子は、一新塾ニュースでも何度かご紹介
 させていただきました。(詳しくはぜひ、向後さんの著書『かんばれ!銚子電鉄
 〜ローカル鉄道とまちづくり』日経BP社刊をお読みください。)
  その向後さんから、「第二ステージに向けて1歩を踏みだします!」とのご連絡をいただきました。銚子市のまちづくりプロデューサーとして
 新たな挑戦に向かう向後さんのミッション・ビジョン、ぜひ、ご一読ください!
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 ■■    『 銚子市のまちづくりプロデューサーとして生きる! 』
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  この度、27年間勤務した銚子電気鉄道株式会社を退職しました。20年前から考えてきたことを、実現するための1歩を踏みだそうと考えた結果です。
 私が描いた銚子市のビジョンです。
 ●銚子市ビジョン  新しい観光「ニューツーリズム」でこれまでに銚子に無かった観光のスタイルを根付かせようと考えています。そこから、個人や地域の利益を生みだすことにより、
 市民のやりがいを芽生えさせることが出来たら良いと思っています。
  銚子の産物のおいしさを伝える人、まち歩きの楽しさを案内出来る人、伝統的な知恵を伝えられることを生き甲斐に感じられるお年寄りが街中に沢山観られることを、
 市民の笑顔と健康の元にできたらと思っています。株式会社いろどりのように。
 
 ●銚子市の現状  それまでの銚子は「生活に困らないまち」でした。豊富な第一次産業や第二次産業に支えられて衰退の危機感の感じ方に世代の差が
 大きくありました。
  また各産業の中でも利害関係の主張により意見がかみ合わなかったり、一言で言えば「まとまりがない」状態でした。
 現在、中心市街地は商店街機能が著しく減退し人口も7万人を割り込み、観光客
 も減少しています。
  かつて、大いに賑わいっていた頃の銚子には、資本家を中心にプロデュースする人たちがいましたが、現在では行政依存が大きく、プロデューサー不在の地域です。
 
 ●地域との密接な連携の必要性  22年前運転士から、鉄道業務を管理する部署へ異動となりました。小さな会社ですから営業から設計・開発・申請、実行、検証など全てのことに関わりました。
 また同業の鉄道会社の担当者と意見交換をする機会も多く、「地方の一事業者だけで
 やっていくことは無理がある、共同でおこなうことや、同じ目線で補い合うことで
 もう少し、コストと労力のかけないでやっていけることがあるのではないか」と
 考えるようになりました。
  その後、銚子市内でいくつもの市民活動に参加させていただきました。地域との密接な連携の必要性の重要さを強く意識するようになり、そこにのめり込めば
 のめり込むほど、会社での業務をしながら地域の活性化や、地方鉄道の存続維持
 の問題に関わることに時間不足を感じるようになりました。
 
 ●プロデューサーへの決意!  そして10年ほど前から、「家族に会社を辞めてやっていきたい」意志を伝えました。銚子市世紀越え事業の市民企画委員として、官民一体の事業に参画させていただいた
 ことが転換点でした。「銚子市の活性化は行政主導でなくても、市民主体でも可能」
 なんだと、考え方を進める切っ掛けとなりました。
  そして、40歳の誕生日を迎えようとしていた頃に、千葉大学工学部都市環境システム学科の社会人枠のことを知り、「まちづくりについてきちんと学ぼう」
 と意を決して入学しました。
  千葉大学での4年間で、まちづくりについては考えたり行動したりいろいろな知識や経験を持った多くの人たちに出会いながらも、世代や経験の違いなどの
 様々な要因により、まとまらないプロジェクトやかみ合わない意見の行き違いが、
 それまでの銚子と被って見え、調整役としてプロデューサーが必要なんだと確信
 しました。
  そして、それは誰かを待つことではなく自分でやらなければ道は開けないと考えるようになり、プロデューサーとなる決意をした上で、自分の周囲の人たちや、
 地元の県会議員などにも意志を伝えてきました。
 
 ●一新塾との出会い  私は、まちづくりプランナーやコンサルタントとして活動するのではなく、銚子というフィールドの中で、具体的に市民と共に働くプロデューサーとして
 活動していくことを目標としました。
  そんな折り、一新塾第4期生の(株)ライトレール代表取締役の阿部等氏と出会い、一新塾の存在を知り研修室のドア叩かせていただいた訳です。
 さっそく、自己実現について足りないものを見つけたくて、そのきっかけに
 なればと入塾させて戴いたことを昨日のように思い出します。
 
 ●銚子電鉄の危機を乗り切る  入塾後、当時の勤務先であった銚子電鉄の危機を「ぬれせんべい」の販売で乗り切ったことは、全国的に知れ渡ることとなりました。そのことが切っ掛け
 で知り得た人達はとても多く、今の私を支えてくれている宝となりました。
 あの危機を乗り切ったことによって、それまでに関わった人たち、その後に
 関わった人たちとの絆はさらに強くなっていきました。そしてその最中でも、
 私は銚子電鉄を辞めてまちづくりプロデューサーへの志を口にして、今日まで
 の準備をしてきました。
 
 ●見えてきた私の進む道  明確にプロデューサーを目指すと決めたころから、観光立国に向けた政策も動きだし、観光庁が設立されました。そして、私の進む道として見えてきた
 のは、銚子市の「ニューツーリズムによる観光によるまちづくり」と
 「地方の鉄道沿線の活性化」のプロデュースです。
 さらに、地方鉄道が連携し共同で事業を進めることでコストダウンを図ったり、
 PR力を拡大しつつ地域鉄道として地域利益に貢献できる鉄道経営に関わらせて
 戴くことです。
 
 ●「ニューツーリズム研究会」「一般社団法人交通環境整備ネットワーク」を立ち上げ!  地元銚子での活動の基盤は、5月に入ってから市役所との関係づくりに努めると共に、地元の有志の皆さんと「ニューツーリズム研究会」を立ち上げて動き
 出しています。
  地方鉄道事業へのアプローチとしては、昨年4月に交通ジャーナリストや国土交通省のOB、地方鉄道数社の社長、そして大学関係者や一般市民の皆さんに
 参加していただいて一般社団法人格を取得し交「通環境整備ネットワーク」を
 設立し、活動を始めていました。地域鉄道フォーラムや鉄道茶論の開催と、
 学生を対象としたセミナートレインを事業として行いました。
  いまこうしてスタートラインに立った段階ですが、しっかりとした走りをイメージして第一歩を踏み出していきたいと思いますので、
 一新塾ニュース読者の皆様にも見守っていただければ幸いです。
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