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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!

    【 第469号 】 発行日:2011年12月19日

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■ 塾生活動レポート

『伊良部島つかさ応援プロジェクト』

                一新塾第27期本科 橋本弥生

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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
沖縄本島から南西に約300km、東京から約2000kmに位置する宮古諸島の一つ伊良部島。

この島に魅せられて、この島の問題に直面することで「何か力になれないだろうか?」と東京で「伊良部島つかさ応援プロジェクト」を立ち上げた27期本科の橋本弥生さん。

橋本さんの情熱に、それまで伊良部島とは縁のなかった賛同者が同志として集い、何度も現場に足を運びながらプロジェクトを展開中です。このたび、橋本さんよりメッセージをいただきました。ぜひ、皆さんも橋本さんの熱き志、そして、日本人が忘れかけている大切なものに触れてみてください。

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■■■■ 塾生活動レポート
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■■     『伊良部島つかさ応援プロジェクト』
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■■■■                 一新塾第27期本科
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  先月、11月6日(日曜)は一新塾の卒塾式でした。
一年前は、理事や塾生の前に立って、プレゼンすることになるとは思ってもいませんでした。しかし、入塾後、チームメイトと出会い、みんなから叱咤激励され、「伊良部島つかさ応援プロジェクト」はスタート地点に立つことができました。この場を借りて感謝したいと思います。どうもありがとうございます!

●伊良部島との出会い

 何故、私のような全くのよそ者が遠い島の問題に関わることになったかというと、ひょんなことから伊良部島の「つかさ」の問題を知ってしまったからです。

 そもそも初めて行ったきっかけは、2008年夏、日本経済がこんな時に、海外旅行をする気にならなかったからです。スノーケルが大好きな私は、透明度が高いと言われる沖縄の離島を選びました。白い砂、透き通ったような青い海、波打ち際からすぐの所から色とりどりの熱帯魚泳ぎまわっており、食べ物も力強く、空気はおいしく、正直いって期待以上でした。貴重な一週間休暇なのに、2回3回と、迷わず宮古に行こうとしている自分に、ふと、なんでこんなに素晴らしいのだろう?と思い、色々調べてみると、伊良部島全体がほぼ聖地だということがわかりました。

●何か日本の為に貢献したい!

 私は、外資系金融機関に勤めているのですが、ひとつのもの(お金)を奪い合うゼロサムゲームの1プレーヤーだけでいることに疑問を感じ、何か日本の為に貢献したい!と思っていました。 その神高い宮古諸島でなら、的確な人生のアドバイスをもらえるのではないか、と思っていたら、ちょうどそういう力を持った人と出会えたので、相談すると、逆に次のようなつかさの問題を相談されることになりました。

●御嶽(うたき)存続の危機!

 沖縄県宮古諸島では、「御嶽(うたき)」といって、本土でいう神社のような場所、祖先神を祀る場で、地域の祭事の中心施設があります。ここで神事を行う「つかさ」という役割の人達がいて、島の中にある聖地(パワースポット)や、「御獄」を守っています。

 ただ、つかさの役割は、厳しい制約や、長時間の拘束などがあり、かなりの負担が本人・家族にかかります。 例えば、髪を3年切ってはいけないとか、島を3年出ては行けない(親類に不幸があってもダメ)とか、5日間御嶽にこもりっぱなしでなくてはならない神事もあります。

一方、補助費といえば年間にたった10万円ほどで、神事に必要なお線香やお神酒を購入して終わってしまいます(逆に足りないくらい!)。

 こうして、徐々に後継者になる人が減ってきて、地域によっては神事ができなくなって、閉じてしまった御嶽もあるそうです。 いったん閉じてしまうと、掘り起こしから始めなくてはならないので、今以上に大変な作業になってしまいます。 

●日本人が忘れかけている大切なもの

  自分の生活もままならないのに、地域の為に奉仕している「つかさ」は、地域の「和を尊び」「自然に感謝する」心を守り続けています。

 私は、「つかさ」の文化は、日本人が忘れかけている大切なものだと思っています。 

宮古諸島全体で、つかさを支える雰囲気が島民の中でできており、つかさも精神的・経済的に満足し、後継者不足の問題が無くなれば、「つかさに選ばれると、生活が苦しくなって大変だ」という現実から、「つかさに選ばれても、生活が成り立っており、その上幸せだ」ということになります。

●よそ者に何ができるのか?

  では、よそ者の自分達に一体何ができるのか? プロジェクトは「まず現場、現場第一!」という一新塾のポリシーのもと、とにかくみんなで現場に行きました。現場では、御嶽と聖地の視察、つかさとの対談、そして、チームから御嶽でお線香をあげさせていただく機会をもつこともできました。

宮古島が初めてのメンバーの一人が、「確かに宮古島はバカンスでくるところじゃないですね」という感想をもらしていたのが、(一回目の自分と比べても)すごく印象的でした。 

 あくまでも、我々は応援という後方支援に徹しようということが3回の視察をとおして導き出したことだったので、解決策を、島内と全国での「情報」の共有と、現地での「組合」の結成の提案にしました。 

●つかさを始め、地域の人々、観光客、全国の人々がみんなハッピーに!

 情報の共有では、島民サイド向けに、伊良部島の素晴らしさを、外部の声を通じて伝えることと、つかさの大切さを呼び掛けることを、ラジオや新聞、HPブログを通じて伝えていくことです。首都圏サイド向けには、自分自身、宮古諸島が聖地だとは知らなかったこともあったので、つかさがマナーを知らない観光客に困っていると聞いた時、彼らは「マナーを知らない」のではなく、ただ「そういった情報がない」とわかっていたので、情報を載せたHP・ブログを作成することにしました。

◆ホームページ: http://irabujima3.jimdo.com/   
◆ブログ   : http://d.hatena.ne.jp/irabujima/

 組合の結成は、来年度の目標なのですが、全国につかさ応援の会員を募って会費を集め、年に1-2回伊良部の品物を送り、残りをつかさに寄付する、という仕組みです。 とりまとめは地元の人達でやって頂きます。

 このように、つかさを始め、地域の人々、観光客、全国の人々がみんなハッピーになれればいいなと、夢を抱いております。

 

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