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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!
 【 534号 】 発行日:2013年5月13日
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■塾生起業レポート
 『キッズコミュニティ凛童舎』
 ~船橋市で子育てを通じて地縁を紡ぐ~
            一新塾第24期 本科 吉岡秀記

■一新塾第32期 2013年5月26日開講!
  開講迫る!「一新塾体験ワークショップ&説明会」
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html
 ●東 京:5月15日(水)19:30~21:45
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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
 今回は、一新塾第24期(2010年5月卒)の吉岡秀記さんのメッセージをお届けします。

 吉岡さんは、モンテッソーリ教育の研究者である大学教員の父親のもとで育ち、建築設計事務所で23年にわたり大規模建築の基本構想から意匠設計・デザインまでを手がけてこられました。
一新塾卒塾後、2011年4月に、できることで支え合う、地域互助力の再生を目指す一般社団法人コラボライフを設立。そして、船橋市で「子育てを通じて地縁を紡ぐ」をテーマに「キッズコミュニティ凛童舎(学童保育園)」と「コミュニティカフェRindow」のタイムシェアリングによる運営に奮闘されています。

 吉岡さんの人生の歩みとミッション・ビジョンが響くメッセージです。ぜひ、じっくりお読みください。

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 『キッズコミュニティ凛童舎』
 ~船橋市で子育てを通じて地縁を紡ぐ~
      一新塾第24期 本科 吉岡秀記
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一新塾24期卒塾生の吉岡秀記さん 私は、実はとても自己肯定感の低い人間です。たまたま結婚はできましたが、子をもうけるつもりはありませんでした。自分のような自信のない人間を親に持つ子がかわいそうだと思っていたからです。
ただ、父の死をきっかけに、同じ歳に死ぬとしたら残り30年。自分の人生はこのままで良いのか?と考えるようになりました。そんなあるとき、妻に「子どもが大好きなのに本当に子どものいない人生でいいの?」と聞かれたのです。この言葉が私の人生を変えました。

 実は私は子どものころからどういうわけか子どもにもてました。私自身、小さい子の相手が好きでもありました。それを知っていての妻の言葉でした。
「よし、子どもを持とう」と思ってから、すぐ娘ができました。だから娘は、私が充実した人生を送るため、天が下された贈り物だと思っています。そのため、私のこの事業に対するモチベーションのすべては、この娘から発していると言っても過言ではありません。

 娘に生き抜く力をもってもらうために、私自身が生き生きと生きている後姿を見せたい。一人っ子にしてしまった娘に、兄弟のような幼馴染を作ってやりたい。
娘が将来協力し合って苦難を乗り越えて行けるように、世の中に頼りになる同輩をたくさん輩出する仕組みを作りたい。それも、娘の世代が財政赤字に苦しまないように、公金をあてにせず運営できる仕組みを、社会を変えるほどたくさん。
そして、高齢者問題で、娘の世代が負う負担をなるべく軽くする仕組みにもしたい。というふうに。

 娘の世代の前に立ちはだかる以下の問題の、解決の糸口だけでも見つけて、安心して逝きたいというのが私の目標になりました。

●社会的課題

(1)弧育の拡大と地域教育力の低下
昔にくらべ、今の子どもたちが接する人の数が格段に減りました。兄弟が少なく、一人っ子が多い。外で遊べる場所も時間も減り、防犯上の危険もあって、大人数で遊ばなくなりました。一緒にといってもTVゲームするだけだったりで深い関わりも減ったようです。公設学童保育に居られるのは小1から小3であるため、歳の離れた子と遊ぶことも減りました。

 子育てもプライベートなものと考えられるようになり、他の家庭に手や口を出すこともはばかられるようになりました。親は独自の価値観で子育てすることになり、子どもは親以外の価値観に触れる機会を失っています。こうして、「臨機応変に自ら道を切り開く力」の乏しい子ども、無難に生きることを「夢」として語る子どもが増えました。ある日、TVで、学校に通えるようになったカンボジアの子ども達が口々に、人の役に立つ夢を語るのをみました。かつての日本もそうだったのに。再びそういう子どもたちを日本からも輩出しないと娘の生きる日本社会は劣化する一方だと感じます。

(2)地域の互助力の低下と高齢者の増加
大人の世界でも、地域のつながりが薄れ、互いに助け合うことが少なくなりました。家族の関係も希薄になり熟年離婚や仲たがいで音信不通になる親子も増えて孤独な高齢者、手助けが必要な高齢者は増加の一途です。そのため、ご近所のちょっとした手助けで済むような問題まで、公的支援が必要になり財政を圧迫します。

(3)労働人口の減少=労働世代の高負担
手助けが必要な高齢者が増加する一方、労働人口は減少し、労働者は高負担を強いられることになります。娘の世代は、それでも希望を持って働き続けられるだろうかが心配です。

●ビジョン

 「物が豊かで、便利で快適」が幸福であると信じ、経済的豊かさへとまい進してきた日本ですが、その結果、人とのつながりが薄れ、孤独感が社会を押し包んでいます。

 今ここで、幸福感の源泉を「もの」から「ひと」へシフトさせることが必要だと考えます。そのためのキーワードが「あなたが居てくれてありがとう」です。たとえば、夏、エアコンの効いた部屋で一人で快適に過ごすよりも、「暑いでんなぁ」「ほんま、かないまへんなぁ」と言い合える相手がいることの方が、実は幸福なのではないかという考えです。

 ただ、現状、人が自然に集う場所(路地や井戸端)は地域に見当たらなくなっています。公共の用意する場の多くは世代を限っていて役不足です。私は、世代を超えて興味をもつ「子ども」をフックとしてはどうかと考えました。シニアが子どもに遊びを教えるイベントもよくありますが一過性のつながりとなりがちでした。常設の場が必要だと感じました。
そして閃いたのが学童保育園+コミュニティカフェだったのです。

 「子ども好き」で「子どもにもて」かつ「新たな教育が必要と感じている」。私の「できること・やりたいこと・やるべきこと」の重なる事業だと感じたことも背中を押しました。

 凛童舎は、「ありがとう」を言い合う「縁」をつなぐ、地域に投げ込まれた常設装置です。

 近未来の日本を、幸福社会とするためには、「ありがとう」を言う方も言われる方もハッピーになれるという「お金ではなく、無(人と人との関係性)から有(ハピネス)を生む」仕組みで、財政難や人手不足の日本を幸福社会とすることができると思ったのです。

 教育方針は、「何はなくとも自己肯定感を」と定め、常に子どもを「肯定」することとしました。自己肯定感の低い人間は、他者に対して堂々と振る舞えない。私自身、学校や会社などの様々のコミュニティでうまくやっていくのには大きな障害でした。そういう、人に対して挙動不審な振る舞いになる人間は、とっつきにくく、「感じの良い人」とはならない上に、人に真意を伝えるのが下手で誤解されがちになるからです。そういう人間は、社会で成功する上で、そうでない人間に比べて、非常に多くのマイナス要因を背負うことになります。子どもたちにはそうさせないことが一番大切だと考えたのです。

●ビジネスモデル

キッズコミュニティ凛童舎 私は、自立したイノベイティブな人材を、将来日本を支えるインパクトのある数輩出するには、公設学童保育のような一般家庭の子弟が普通に通える価格で、子どもたちに教育的配慮をしつつ、営利学童保育のようにプログラム漬けではない、自己裁量で行動できる自由な放課後を提供する施設が全国の各小学校区に2~3か所は必要だと思います。

<実現方法>
1)ファシリティの多重活用

 午後3時までの空き時間をコミュニティカフェとして地域に開放し、地域住民との接点とします。学童タイムにPCによるEラーニング型学習塾となる一室は、カフェタイムには、シニア向けPC教室(PCの2重使い)などとして活用し、関わる人間を増やしつつ、収益化も図ります。

2)ボランティアの活用
ボランティアとは無報酬で働く人ではなく、金銭外の報酬で働く人です。ボランティアにはコミュニティカフェの時間帯にこの場所を自由に無料で使ってもらいます。

 学童保育ボランティアには、アクティブシニアに参加してもらいます。若者ボランティアはどうしても年齢が近い分、子どもに迎合的になります。遊びにも混じり、このことで子どもは「遊んでもらう」ことに慣れてしまい依存的になります。その点シニアは、自分たち亡き後の未来を見つめている分、教育的な配慮をしてくれるし、子どもたちも自然とシニアには一緒に走り回ることを求めません。そうして時が経ち、子どもたちが中高生、大学生になったころ、彼らを世話したシニアも弱って、入院や車いす生活になり、介護やリハビリが必要になっているかもしれません。そんなとき、昔世話した子どもたちが立派な中高大学生になってシニアのところを訪れ、手助けをしたり、話し相手になってくれたりしたら、シニアの心も和むし、思春期や青年期の子どもたちが「人生」というものを考えるきっかけにもなると思います。このことが、将来の高齢化社会の人手不足の懸念を軽減する一助になると考えます。

 最終的には、これを主催者が最低限食え(年収300万円目標)、かつ「円」はなくとも「縁」は豊富な、「ひと」基軸の幸福を享受できるモデルとしてオープンソース化します。そして、「食えるなら」と日本各地の厚志家に真似してもらえれば、公金を使わず幸福社会を築けると考えています。凛童舎はその小さな一歩です。

*キッズコミュニティ凛童舎
http://www.rindows.jp/


<いよいよ26日開講!参加者募集>〓〓〓〓〓〓
 「一新塾体験ワークショップ&説明会」
  ★東京 5月15日(水)19:30~ 
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一新塾代表理事・事務局長 森嶋伸夫一新塾第32期はいよいよ5月26日開講です。
第32期説明会&体験ワークショップを
下記日程で開催いたします。

新しい時代の拓けに向けて、自らの根っこ力を発見して共に一歩を踏み出しましょう!

講師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
●試練の時代を乗り越える自分軸の作り方
●現場主義で道なき道を切り拓くには?
●不可能を可能にする同志とのコラボレーション
●削ぎ落とす学びで「もやもやの思い」から「鮮明な志」へ
●「根っこ」と「幹」をつなげるフレームワーク「6つの箱」
●一年間で人生と社会をここまで変える!
●なぜ3つのコースがあるのか(政策提言・社会起業・市民PJ)
●塾生・卒塾生の挑戦の紹介

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【東京本科 体験ワークショップ&説明会】
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 日時:2013年5月15日(水)19:30~21:45

 会場:一新塾セミナールーム
(住所)東京都港区芝3-28-2カスターニ芝ビル2F

 テーマ:「“根っこ力”が社会を変える!」

 講 師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)

 参加費:無料

一新塾体験ワークショップ&説明会 一新塾32期2013年5月開講!
~塾生募集中~ 
東京・大阪・名古屋・仙台

< 一新塾「第32期」概要 >ーーーーーーーーーーーー
◎開 講:2013年5月26日
◎期 間:12ヶ月
    『多彩な社会のテーマ講座』
    『プロジェクト立ち上げ実践の支援』
    『コンサルティング』
    平日夜間・土日で学びます(月4~5回程度)
◎コース:政策提言コース
     社会起業コース
     市民プロジェクトコース
    ※ミッション・ビジョンの発見を基軸とした
     
3つの方法論のすべてが学べます。
◎ 科 :本 科(東京)
     地域科(大阪・名古屋・仙台)
     通信科
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