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 一新塾ニュース ~今のニッポンを変えろ!
 【 626号 】 発行日:2016年7月26日
   http://www.isshinjuku.com/
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■ 一新塾卒塾生による活動レポート

『脳脊髄液減少症者向けサービス
       「feese」を立ち上げ』
 一新塾第27・29期 東京本科  重光喬之

■「一新塾体験セミナー&説明会」参加者募集!11月開講
東京は11月6日、大阪・名古屋・仙台は11月中に各地で開講。

●東 京:8月17日(水)19:30~21:45【定員】
     8月20日(土)15:00~17:45
     8月24日(水)19:30~21:45
     8月27日(土)15:00~17:45
     8月31日(水)19:30~21:30

●大 阪:9月 3日(土)13:00~15:45
     10月1日(土)13:00~15:45

●名古屋:9月 4日(日)13:00~15:45
     10月2日(日)13:00~15:45

●仙 台:9月11日(日)13:00~15:45
     10月10日(月祝)13:00~15:45

●通 信:随時、お電話で個別説明させていただきます。

一新塾体験セミナー申し込み
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メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。

今回は、脳脊髄液減少症の当事者として、脳脊髄液減少症者向けサービス「feese」を立ち上げた重光喬之さんの志を生きる挑戦をお届けいたします。

一新塾卒塾生  重光さんは、2010年11月に一新塾第27期に入塾。一新塾東京本科の仲間と「療育は両育」プロジェクトを立ち上げ、チーム活動を始められました。

その活動を基に、2012年11月に「NPO法人両育わーるど」を設立。福祉現場と社会・企業の接点を増やすべく、さらに多くの仲間とつながり、活動を広げられています。

 その一方で、ご自身も当事者である”脳脊髄液減少症”の患者さんに寄り添い、課題解決のためのチャレンジも開始されました。今回はその新たな活動のレポートです。

塾生活動レポート
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  『脳脊髄液減少症者向けサービス
     「feese」を立ち上げ』
  一新塾第27・29期 東京本科 重光 喬之

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 在塾中に「知的・発達障害児者と関わる人がともに学び合う“両育”のある社会の実現」をビジョンにプロジェクトを立ち上げ、福祉現場と社会・企業の接点を増やすべくNPO法人両育わーるどを設立し活動しています。

 また、縁あって脳脊髄液減少症当事者として記事を書いてきました。NPOの取り組みを続ける一方で、希少・特定疾患者が社会の狭間でもがき苦しむ姿を見て、悶々とした日々を過ごしてきました。

●20代半ばに脳脊髄液減少症を発症

 これまでの私は、ヒトと関わるのが苦手で、音楽中心の学生時代を過ごし、仕事も自分の成果中心でやってきました。
しかし、たまたま始めた知的障害児者と関わるボランティアから、本当は人と関わることが好きなのにそれを表現できない自分に気がつき、長い時間をかけて、周囲との関係性が変化していったように思います。

 私生活では、20代半ばに原因不明で脳脊髄液減少症を発症し、三度の入院と手術、二度の退職と寝たきり、離婚を経験しました。主な症状は24時間365日の絶え間なく続く痛みです。
例えるなら首から背中の複数個所で親知らずを抜いた後の痛みが継続している感じです。
そのため常にイライラし、ネガティブ思考で、頭も体も思うように動かず、やりたいことがやれず、できることもできない日々を過ごしてきました。

 発症後2~3年は気合と根性、それが通じなくなってからは、痛みを感じる自分とは別の自分を作り出し、自らを偽ってきました。
今は、医療用麻薬による痛みの調整と思考停止の間を行き来する日々です。

 また、3年前より脳脊髄液減少症の当事者ライターとして、記事を書いていると、多くの当事者より叫びにも似たメッセージ、問合せや情報などが集まってきました。

●お節介でも伝え続けよう

 そんな私が脳脊髄液減少症者向けサービスに取り組むことに決めたのは、昨夏、取材を兼ねて家族会に参加したことです。
そこで同世代の同病者と出会い、これまで抱え込んでいた焦りや不安、行き場のない怒りを聞いてもらい、同じように病気と向き合っている人の存在を知ることで楽になれた気がしました。

また、親御さんが息子さんの症状を見かねて無理心中を図ったエピソードを聞いたり、さらには音信不通になった同病者の存在を知ったり。自分の中に眠っていた違和感に気づきました。

 同病者の自死を望む気持ちは分からなくはないけれど、死んでしまってはもったいない。
生きていればきっといいこともある。「たまには、声を出し、外に出て、誰かに助けを求めてみてはどうだろう」と、たとえお節介でも伝え続けると決めました。

 これからの私は、在塾中に立ち上げたNPOの仕事を続けながら、脳脊髄液減少症者向けサービス「feese」も並行して進めていきます。今春より事例収集と当事者のニーズの確認を目的としたWEBサイト(プレオープン)を立ち上げました。

 これまでの経験と当事者とのやりとりから得たことは、“期待し過ぎず、諦めず”の心持ちで生きていくこと、誰しもが何かしら目には見えない悩みや苦労を背負っているであろうと想像できるようになったことです。

 私自身は、一人で抱え込まず、時に休み、自分なりのペースで続けていこう、開き直って生きていこうと試行錯誤中です。

●誰もが発症する可能性

 現在、国内に少なくとも500,000人の脳脊髄液減少症の患者がいると言われています。
その患者数に対して、治療可能な病院は46カ所のみ(15/10/20厚労省)です。一般社会でも医療現場でも認知度が低いため、治療の遅れから慢性化する患者も多数います。
ここ数年で、診断法や治療法、症状に関する情報は充実してきましたが、日々の症状との付き合い方、生活するための工夫や生計の立て方など生きるために必要な情報は見当たりません。

 また、誰もが発症する可能性があり、外見上では分からない類似の慢性疲労症候群や線維筋痛症、化学物質過敏症など比較的新しい病気には、社会制度も周囲の理解もなく、症状にも精神的にも、そして社会的にも追い込まれて自死する当事者もいます。

 立ち上げたサービスを通じて知り合った20代の女性Aさんは、小学校での体育の授業で倒立をした際、補助役の同級生が受け止めきれず転倒し発症されました。
十数年の闘病生活、二度の入院・手術を経て症状は多少緩和したものの、「この病気さえなければ…」、「なぜ生きているのか」と悩み、調子のよいひと時に、友人と会うと「元気になってよかったね」の一言に複雑な気持ちになるそうですが、「家族のために自殺だけはしない」と決めているそうです。

●病気が新しく社会制度が追い付かない

 2000年より脳脊髄液減少症の研究が始まり、2012年に厚労省の研究班が正式に病気の存在を認めました。検査・治療法は議論・研究の最中で、病名も低髄圧症候群、脳脊髄液減少症、脳脊髄液漏出症と短期間で変わってきました。
病気に対して社会保障や仕組みが追い付かず、予算も限られるため制度の狭間にいる当事者と家族・関係者へそのしわ寄せがきています。

 当事者とのやりとりから症状以外に「5つの課題」が見えてきました。
1、診断治療:対応可能な医師・
       病院が少なく、診察すら数カ月待ち
2、金  銭:治療費が高い、
       大半が保険対象外で入院手術1回30~80万円
3、社会保障:医療保険(高額医療免除含)・
       障害認定・難病指定の対象外
4、理解認知:家族、友人、学校、会社、
       世間の認知が低く、怠け者扱い
5、将来不安:終わりが見えず、常に症状に苦しめられ、
       生きる意欲が低下

●私の5年後のビジョン

 5年後、脳脊髄液減少症が現在のうつ病ぐらいの認知度になり、よくある病気として認識されることで、治療の遅れがなくなります。これまでやむを得ず家に籠り、働きたくても働けず悶々と時間を過ごしてきた当事者たちが、各々の生き方、働き方を創出し、社会の一員として自負を持って生きています。

 それまで世間の外にいた数十万単位の当事者たちが、各自のできる働き方を社会に示すことで、多様な働き方が広がります。職場に限らず家庭や学校、地域など人々が集まる場での多様性を受け入れる見本となり、それは多くの人々の生きやすさに繋がります。

 その社会では、誰しもが何かしら抱えているかもしれないということに大勢の市民が気づき、見た目では判断できない他者の背景や痛みを推測でき、社会に寛容さと思いやりが生まれています。それは性別や世代、健常と障害、文化や価値観などを越え、人と人との相互理解が進む潮流になっています。

 当事者のAさんは、社会的な支援も受けつつ、自分なりに出来る仕事を見つけ、自らや家族の負担・犠牲が軽減されています。たとえ完治せずとも自らの居場所や役割を自覚し、前向きに結婚をし、家庭を築き、妻として、母として、一人の人間として、主体的に自らの人生を歩んでいます。

●今後のチャレンジ

 これらのビジョンを実現するために次のステップで取り組んでいきます。
1、当事者の実体験の共有による症状の緩和や生活苦の抑制
2、早期発見・治療へアプローチし慢性化患者を増やさない
  医療現場へ、一般人へ、疑いや診断前の段階の当事者へ
3、慢性化患者が症状と付き合いながらもできる仕事や
  働き方を見つけ、社会と接点を持つ
4、SORI的視点で公的な社会復帰支援を算出し政策提言を実施
5、ニーズを確認し類似疾患へサービスを拡大

 この第一歩として、同病者の他の類似事例や関連性の高い情報を提案できるようAIや音声解析等のテクノロジーを考慮しながら、医療行為後から社会復帰の間にある空白を埋める非交流型のWEBサービスを準備しています。非交流型の理由は、症状・発症要因、家庭環境やお金の有無で状況・状態が異なり、当事者同士のやりとりは時に悪影響を及ぼすからです。

 一見矛盾しますが顔の見えるやりとりであれば、私自身の過去の経験からも当事者同士が直接であれば関わることもよいと考え、来月上旬に1回目の座談会を予定しています。移動が困難な方には、オンラインで顔の見える交流も検討中です。

 また、ライター活動を続けながら、イベントの企画や他団体イベントでの登壇、白書や冊子を作成と行政や病院へ配布、その他メディアアプローチにより普及啓発に努めます。

 様々な働き方が模索される昨今、時間短縮や在宅での勤務、時間ではなく仕事の成果・量で働くモデルを当事者とともに作ります。

 最後に、WEBサイトやSNSを通して、当事者とやりとりをしていく中でニーズがあることは実感しています。
また、未成年のため治療を受けられない方や小さなお子さんの保護者からの問い合わせも受け、これまで意識しなかった課題も知りました。

 来年には、調査・研究、広告、関連業界からのスポンサード等で運営費を賄い、当事者へ仕事をお願いできるまで進めます。皆さまの応援や支えをいただきながら、必要としている人たちへ、早く、適切に届けるべく活動していきますので今後ともご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願いします。

【脳脊髄液減少症とは】
脊髄から脳脊髄液が漏出する病気(≒脊髄の怪我)で、交通事故起因が半数、その他出産・整体・カイロ・転倒・原因不明など誰しもが発症する可能性があります。
主な症状は、慢性疼痛、頭痛、倦怠感、めまい、吐き気、自律神経障害、睡眠障害など十人十色で、私は24時間365日の疼痛で、今は末期癌患者が使う医療用麻薬で痛みが多少緩和しています。外見からは症状が分からないのがこの病気の特徴で、難病指定や障害者手帳の対象外で、今春より治療の一部が保険適用となりました。

脳脊髄液減少(漏出)症と
“ほどほどに”付き合うためのライブラリー

https://feese.jp/

一新塾卒塾生の活動

 

 【 参加者募集!】 東京・大阪・名古屋・仙台・通信
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   「一新塾体験セミナー&説明会」 
   ~“根っこ力”が社会を変える!~
  一新塾第39期、2016年11月開講

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 一新塾第39期は2016年11月6日に開講予定です。
「一新塾体験セミナー&説明会」の予約をスタート致しました。
ぜひとも、ご参加いただければ嬉しいです!

【主な内容】
◎なぜ一新塾で学ぶと人生と社会が変わるのか?
◎激動の時代との向き合い方~30人の講師陣の志を生きる挑戦
◎ゼロベースでビジョンを描くには?
◎仲間と協働し、現場主義を生きる方法
◎20世紀リーダーと21世紀リーダーの違い
◎「根っこ(志)」と「幹」をつなげる
  問題解決フレームワーク『6つの箱』とは?
◎「社会起業」「政策提言」「市民活動(NPO)」で
  社会を変える方法論
◎「志を生きる人生」の支援と
 「社会を変えるプロジェクト」の支援
◎志のコミュニティから生まれたOBOGのプロジェクト紹介!
◎質問タイム

講 師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)
テーマ:「“根っこ力”が社会を変える!」
参加費:無料
一新塾体験セミナー申し込み

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【東京本科 体験セミナー&説明会】
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日時:
(1)8月13日(土)15:00~17:45
(2)8月17日(水)19:30~21:45【定員】
(3)8月20日(土)15:00~17:45
(4)8月24日(水)19:30~21:45
(5)8月27日(土)15:00~17:45
(6)8月31日(水)19:30~21:30 他

 会場:一新塾セミナールーム
(住所)東京都港区芝3-28-2カスターニ芝ビル2F
一新塾体験セミナー申し込み

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【大阪地域科 体験セミナー&説明会】
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 日時:9月3日(土)13:00~15:45他

 会場:「難波市民学習センター」
(住所)大阪市浪速区湊町1丁目4番1号 OCATビル4階
一新塾体験セミナー申し込み
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【名古屋地域科 体験セミナー&説明会】
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 日時:9月4日(日)13:00~15:45他

 会場:「愛知県産業労働センター ウインクあいち」
(住所)愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
一新塾体験セミナー申し込み

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【仙台地域科 体験セミナー&説明会】
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 日時:9月11日(日)13:00~15:45 他

 会場:「仙台市民会館」
(住所)仙台市青葉区桜ケ岡公園4番1号
一新塾体験セミナー申し込み
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■ 通信科 電話での個別説明
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上記地域以外の方を対象に通信科をご用意しています。
随時、お電話での個別説明を10~15分程度させていただきます。
(東京・大阪・名古屋・仙台での説明会へのご参加も大歓迎です)
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一新塾(社会起業・政策提言・市民プロジェクト 3コース)

【体験セミナー&説明会 東京・大阪・名古屋・仙台・通信】
http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

【一新塾のプログラム】
東京本科:
http://www.isshinjuku.com/curriculum/tokyo.html
大阪地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
名古屋地域科 : http://www.isshinjuku.com/curriculum/osaka_nagoya.html
仙台地域科: http://www.isshinjuku.com/curriculum/sendai.html
通信科:
http://www.isshinjuku.com/curriculum/content.html

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