塾生の声

一新塾卒塾生からのメッセージ

宿野部武志 氏
一般社団法人ピーペックCEO
Webサイトじんラボ所長
社会福祉士
一新塾25期卒塾
一新塾OB講師

◎入塾前は透析をしながら会社員、社会福祉士
→ 腎臓病・透析に関わる人の幸せのために会社を設立→病気を持ちながら生活をする人を支援する会社を設立


「病気であっても大丈夫といえる社会実現のために」

私は1968年生まれで高校卒業時から透析患者となりました。3歳時から慢性腎炎という病気を患って以来、私の人生は病気と共にありました。体育の授業はすべて見学。薬の副作用がもとで顔がむくみ、いじめにも遭いました。さまざまな治療のかいなく、高校卒業時のまさに大学受験のタイミングで透析導入を告げられ以来ずっと透析をする生活で現在に至っています。

透析が始まった最初の一年間の浪人生活を経て、難とか大学に入学することができ、就職活動では苦労しましたが、幸いにして希望した企業に入社することができました。週3回、1回4時間を要する透析をしながら会社員生活を送ることは、心身ともにハードではありましたが、やりがいのある仕事と人に恵まれとても充実していました。

そのような生活の中で「自分の人生のミッションとはいったい何なのか?」という問いが日増しに大きくなっていき、“自分のやるべきことは、自分と同じように病気で悩み苦しんでいる人達を助けることではないのか”と思うようになったのです。長期透析に伴う合併症のため入院・手術となったことを機に、その思いを改めて強く確信し、14年勤めた会社を退職しました。

退職後は、社会福祉士(ソーシャルワーカー)の国家資格を取得し、社会福祉協議会での相談業務・ボランティアコーディネーター等の現場経験をしている最中の2009年に一新塾へ入塾。一新塾では、若い医師(この方はその後、政治家になられました)の率いるプロジェクトに参加して学びながら、起業にあたって行う事業のブラッシュアップをしてゆきました。そして、在塾中の2010年に「株式会社ペイシェントフッド」を起業。その後、2012年には妻が一緒に会社を担ってくれることになり事業を見直し、2013年には「腎臓病・透析に関わるすべての人に幸せのために」をスローガンにしたポータルサイト「じんラボ」をつくりました。

「じんラボ」オープン後には、当初から事業に据えていた透析施設や、起業での講演・研修事業もご依頼いただけるようになりました。特に医療関係の企業に勤める社員の皆さんは、直接患者の声を聞く機会はあまりなかったことが分かってきました。私にとっては、命にもつながるお薬や機械を製造・販売している方々がエンドユーザーである患者の声を聞くことが少なかったとということは、とても驚きでした。

患者さんの体験と思い、リアルをお伝えすることで、新薬や新しいサービスを産み出すための気付きやヒントを得ていただくため、またモチベーションを上げていただくため、腎臓病に限らず他の疾患の患者さんにも協力していただき、講演に加えてワークショップ等のプログラムのバリエーションも増やしながら取り組みを広げています。まさに患者と医療をつなぐ架け橋ともいえる取り組みをしています。

その後、活動を通じて様々な仲間ができ、腎臓病や透析患者だけでなく「病気を持ちながら生活をする人」をもっと広く支援する体制をつくってゆくために、新たに「一般社団ピーペック(PPeCC)」を立ち上げました。病気であっても大丈夫といえる社会にしてゆきたいと思っています。

「病気を持つ人が望む生活に近づくための支援体制」「患者会が充実した活動をするための支援体制」をつくるための多様な事業展開、政策提言もしています。

これらの歩みも一新塾での自身の「根っこ」の徹底的な掘り起こしによって気付いた「想い」を「カタチ」にしたものです。 透析施設や企業へのコンサルティング事業、講演・研修事業もご依頼いただけるようになったのも、一新塾でも学んだ「現場主義」の姿勢を貫いたからこそだと思っています。 

これからも、患者の新しいあり方への挑戦をしていきたいと思っています。

宿野部武志(一般社団法人ピーペックCEO・Webサイトじんラボ所長・社会福祉士)


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