
一新塾卒塾生の体験談とメッセージ
吉岡 孝嗣 氏
子ども通貨zukapo実行委員会 実行委員長
一新塾52・54・56期卒塾
※一新塾本「志を生きるって何だろう?」
第3章 地域縁の再生モデルp88でご紹介
◎入塾前は会社員
→宝塚市で子ども通貨zukapoで起業
「子ども通貨zukapo
~子どもたちの『好き』と『得意』で
地域を豊かに」
私は一新塾第56期(2026年6月卒塾)大阪地域科において、「子ども通貨zukapo」をテーマに活動してきました。
子ども通貨zukapoは、兵庫県宝塚市を舞台に、子どもたちの「好き」や「得意」を地域の中で価値に変え、人と人との感謝や役割が循環する仕組みづくりを目指す社会実験です。その考え方はシンプル。
「好き」 × 「得意」 × 「社会貢献」 = zukapo
子どもたちは、自分の好きなことや得意なことを活かして地域に貢献し、その対価として地域通貨zukapo を受け取ります。
現在は主に3つの活動を展開。
一つ目は、コープこうべとの協働による「POPクリエイター活動」。中学生が制作した手書きPOPを 店舗で活用し、商品の魅力を来店者へ伝えています。
二つ目は、「ホスピタルアート」。子どもたちが制作した作品を地域のクリニックに展示し、患者や医 療従事者の心を和ませる空間づくりに取り組んでいます。
三つ目は、「ミニライブ」。吹奏楽部の生徒たちが福祉施設で演奏し、世代を超えた交流の機会を 創出しています。
この1年間の社会実験を通じて、多くの「ビックリ現象」が起こりました。
中学生が自ら獲得した1,000ポイントを共同募金へ寄付したこと。子どもたちが制作したPOPが店舗の売 上向上につながったこと。SNSや地域メディア、テレビなどを通じて、多くの共感が広がったこと。
しかし、私が最も驚いたのは成果そのものではありません。
子どもたちの活動を応援するために、コープの店長、クリニックの院長、高齢者施設の事務長など、多くの 大人たちが力を貸してくれたのです!
活動の場を提供し、お金を出し、そして余計な口出しをしない。
そんな「子どもたちのためにリスクテイクできる大人たち」の存在が、この社会実験を支えています。
そして、この1年で見えてきたこと。
それは、zukapoの可能性は子どもだけに留まらないということです。
子どもを起点に、障がいのある方も、高齢者も、誰もが地域の中で役割と居場所を持ち、自分らしく輝ける 社会をつくることができるのではないだろうか。
私は、子ども通貨zukapoを「地域とつながる実践型キャリア教育」と捉えています。
しかし、このキャリア教育もまた子どもだけのものではありません。 私たちおとなも、子どもたちとの関わりを通じて、自分自身の「好き」や「得意」、そして挑戦する気持ちなど、かけがえのないものを思い出させてもらっています。
教育・経済・福祉・医療をつなぎながら、人と人が力を合わせ、「好き」と「得意」が循環する地域づくりに挑戦し続けたい。
その原点は、父子家庭で育った中学生時代の私にあります。
当時の私は、「俺にだって稼げる」と思っていました。しかし、中学生が自分の力で価値を生み出し、社会とつ ながる機会はほとんどありませんでした。 だからこそ今、子どもたちの「好き」や「得意」が地域の中で価値となり、誰かの役に立つ社会をつくりたい と思うのです。
zukapoは、子どもたちの未来のための社会実験であると同時に、かつての自分自身への問いに対する、 一つの答えでもあります。
吉岡孝嗣 (子ども通貨zukapo実行委員会 実行委員長)
▼講師・塾生から生まれた「志を生きる人になる」知恵を、一度体験しませんか?